ローマは一日にして成らず~企業の信用の作り方~
最近、経営者の本を読むことが増えました。そこであることに気づいたんです。
本に書かれているようなノウハウって、柳井工業で当たり前のようにやってきたことじゃないか!と。
本を読むことによって、これまで自分が意識的に行ってきたことが綺麗に言語化されたんですね。
今回は、ビジネスで成功するために行ってきたことの中でも、「信用の作り方」を紹介したいと思います。
ビジネス本を読む習慣がついて気づきました
実は僕、普段は本をまったく読まないのですが、最近は本を読んでいます!あ、正しくは“聴いている”ですね。
きっかけは、3時間程度ある通勤時間を有効活用するために、AmazonオーディオブックAudibleを聴くようになったこと。
世間には成功者が体験談を語る本が多いと思いますが、これまで僕は、他人の成功話に興味が持てなかったんです。なぜなら、自分と著者は違うから。
避けていたはずなのに、最近になってビジネス本ばかり読んでいる理由は、自分がやってきたことの答え合わせになって面白いからです!
例えば、ビジネスで成功するために意識することや営業がうまくいく方法、お金持ちになる方法。
そういったビジネスのハウツー本で提示されているポイントを、僕は図らずも実施してきていました。
本の内容が自分がやってきたことと同じだとわかり、今までやってきたことは正しかったと答え合わせができた!自信がついたし、嬉しかったです。
本で改めて気づいた、これまで意識して実施してきたことの1つが、「信用を作ること」。柳井工業は長い年月をかけて信用を築いてきました。
10年間そのためだけに奮闘してきたといっても過言ではありません。その結果がビジネスでの成功に繋がっていると思っています。
信用は日々の小さな積み重ね!
企業の信用力は、対銀行、対顧客、対協力会社の3つに分解できると思っています。
例えば、1回案件が上手くいったとしても、いずれの信用も簡単には築けませんよね。ですが、良い成果を40年間安定的に出せているとなれば、即座に信用を得ることができる。
何が言いたいかというと、地道な努力や積み重ねが大事ということ!
日本で有名な起業家といえば、ライブドアの堀江さん、ソフトバンクの孫さん、ZOZOの前澤さん。彼らは尋常じゃない努力を積み重ねてきた方々です。
発明王と呼ばれるエジソンのような天才的な閃きで成功することは稀で、成功者のほとんどが下積み期間に苦労をしている。
企業における信用も同様で、試行錯誤しながら、日々小さな信用を積み重ねていくことに尽きると考えています。
大切にすべきは、「目先の利益よりも中長期的利益」そして「継続」
信用を築くために、実際に柳井工業で僕が意識してきたことは「目先の利益よりも中長期的利益」を意識すること。
経営者は、売上や利益などの数字を重視するものです。その結果、目先の利益に目が行ってしまいがち……。
例えば、2,000万円と1,500万円の案件があったとしたら、年間売上目標を達成するために、2,000万円の案件を取ってしまう経営者が多いと思います。
ただ、柳井工業が行ってきたことは違います。目先の利益だけを見て飛びついてしまうのではなく、長期的な内容を吟味する。
例えば、定期的に受注できそうな継続案件か。従業員や協力会社が働きやすい条件か。利益率は良いか。
10年ほどこの業界を見てきましたが、案件の契約金額が良いことだけで仕事を選び、5〜6年で淘汰されてしまった同業者を知っています。
契約金額で仕事を決めるのは、発注者をコロコロ変えるということ。つまり、顧客の信用を長期的に築けないのです。
そして、何より大切なのは曲げないこと。僕は、「目先の利益よりも中長期的利益」を徹底して「継続」してきました。
信用の高さは通知表に表れる
先を見通して長期的な利益を重視してきた結果、信用力が蓄積。そして、好循環が生まれました。
具体的には、顧客の信用が得られれば、安定的に取引してくれます。協力会社の信用が得られれば、“柳井工業の現場なら…!”と積極的に協力してくれます。
その結果、売上が安定して伸長、利益も出せるようになりました。
そして、顧客や協力会社からの信用力の高さは、企業の通知表である決算にしっかり反映されるんですね。すると、銀行の信用も得られ、銀行融資が通りやすくなります。
企業の信用が高まれば好循環が生まれるのは、柳井工業だけではなく、いろんな会社で通ずる話。しかし、冒頭話した通り、信用は一朝一夕では成り立ちません。
知人から「柳井さんは、人生を楽しんでていいですね」と言われることがあるのですが、今に至るまでに、泥臭く苦労を重ねてきたことはご承知おきください…!
本を読んで改めて気づいた「企業の信用の作り方」について、少しでも参考にしていただけることがあれば嬉しいです。