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「名言との対話」4月16日。柳生博「日本人のいちばんの魂の置き場所は野良仕事だと思う」
「名言との対話」4月15日。柳生博「日本人のいちばんの魂の置き場所は野良仕事だと思う」
柳生 博(やぎゅう ひろし、1937年〈昭和12年〉1月7日 - 2022年〈令和4年〉4月16日)は、日本の俳優、司会者、タレント、声優、団体役員。
茨城県出身。東京商船大学に入学するが、禁止になり断念し中退。俳優を目指す。映画『あれが港の灯だ』でデビューし、30代後半の連続テレビ小説『いちばん星』の野口雨情役で広く名を知られる。クイズ番組『100万円クイズハンター』の司会を担当した。『平成教育委員会』の解答者や『生きもの地球紀行』のナレーションも長く担当するなどマルチに活躍。NHK大河ドラマ『竜馬がゆく』『八代将軍吉宗』に出演している。味わいの深い演技は定評があった。
自然愛好家であり、1976年に八ヶ岳の山麓の北斗市に一家をあげて住み、作庭家としても活動した。自宅周辺に1万本以上の植林を続け、息子の柳生真吾(2015年に47歳で死去)とギャラリー・レストラン「八ヶ岳倶楽部」を開設した。「日本野鳥の会」の第5代会長、名誉会長に就任している。
『柳生博・加藤登紀子 自然を生きる 自分を生きる』(河出書房新社。2019年刊行)を読んでみた。八ヶ岳の柳生と鴨川の加藤の対話を本にしたものだ。
柳生家は江戸時代の柳生新陰流の末裔である。その柳生家には「男子は13歳になったら一人旅をさせる」という家訓がある。博は中学2年で八ヶ岳へ旅をする。それ以来、人生の節目ごとに訪れている。
もともと吃音であったのだが、山村聡という名優が、「どもりくらいの方が役者として大成するんだよ」「おまえ、40歳くらいになったらいい役者になるんじゃないか」と励ましてくれた。
柳生は八ヶ岳へ移住してくる若い人たちに希望を託している。また高梨沙羅や大谷翔平の生き方や言葉に感銘を受けている。
以下、柳生博の言葉。
「老人が貧乏くさくなったらダメだよ」。「お金を出すことと、挨拶は短くすること、そこにジョークを投入できればなおよし」。「オール・オア・ナッシングではなく、いま可能な範囲での改善策を講じることの大切さ」。
NHK「あの人に会いたい」では野良仕事の魅力を「森を切り植えて、切って植えて、花を咲かせて、鳥を呼んで、これを幸せと言わずして、「何を!」という感じです」と語っている。
野を良くするのが野良仕事なのだろうか。こういう幸福感は日本人の幸福感なのだろう。
柳生博は「木を植える」ということを続けた。そして若い人を育てた。同じことである。木は人であったのだ。