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「名言との対話」1月11日。淡路恵子「体から心まで、とにかく自分のことは自分でしっかり管理していないと、女優はつとまらないわよね」

淡路 恵子(あわじ けいこ、1933年(昭和8年)7月17日 - 2014年(平成26年)1月11日)は、日本の女優。享年80。

15歳で松竹歌劇団入団。16歳、映画出演。17歳、松竹歌劇団の人気ダンサー。20歳、フィリピン人歌手ビンボー・ダナオと同棲。以降、毎年多くの映画に出演。1966年33歳、中村錦之介(後に萬屋錦之介と改名)と結婚。1987年54歳、錦之介と離婚。『男はつらいよ 知床純情』で女優復帰。以降は映画と舞台で活躍、最晩年はテレビのバラエティ番組の毒舌キャラで人気。芸能界屈指のゲーマーだった。

デビュー時に尊敬し親しかった淡島千景と、『野良猫』出演時に黒澤明監督命名の恵子を合わせて、芸名が淡路恵子となった。

最盛期は「月刊淡路恵子」と言われるくらい次々と映画にでていた。日曜20時からのNHKテレビ『若い季節』(昭和36年)でのプランタン化粧品の女性社長役で、専務役の松村達雄との会話は私にも記憶がある。

結婚した錦之介は「俺はうまい役者と呼ばれるより、いい役者になりたい」と始終言っていたと語っている。「いい役者」とはいい言葉である。錦之介はその志の通りいい役者になっている。

「女優になるには、運やチャンス一番大事なんだ、って。そういうものに恵まれた時に、ガーッーと頭角を現さないといけない、、」

 これは女優に限らない。どんな人も運が巡ってくることがある。この時にどうするかで、その後の運命が決まってくるのではないだろうか。「運命の女神には後ろ髪がない」。幸運を携えた女神が前から自分に向かって歩いてくる。その幸運にたじろいで自分の前を通り過ぎてしまう。慌ててその女神を捕まえようとするが、その女神には後ろ髪がなかった。だから捕まえることができなかった。多くの人は絶好の機会を逃すのである。

女優の場合は、名監督に起用されたとき、主役に抜擢されたとき、その時には一気に頭角を表せと言うことを言っているので、ある。組織で仕事をしている場合にも同じことが言えるのではないだろうか。どのような組織でも基本的に上司というのはなかなか尊敬できるものではない。ところがたまに優れた上司に当たることがある。このときには寝食を忘れて仕事に取り組み成果を上げることが大事なのだ。

意外なことに、 淡路恵子は自己管理の人だった。女優は、肉体だけでなく、精神も含めて自己管理をしっかりすることが大事だと考えていた。人に迷惑をかけないこと。舞台中は規則正しい生活を心がけること。出演中は声を使いすぎないように酒を飲みにいかないこと。睡眠は8時間以上とること。役柄からはなかなか想像できないが、実はそういう努力を自分に課していた。淡路恵子は仕事師であった。

淡路恵子は掴み取った運やチャンスを大事にした。セルフマネジメントの名人だったようだ。こういう人は、自分をめぐる生活を仕事に向けて徹底して、時間管理ができる人だ。つまり自己管理ができる。タイムマネジメントのできる人はセルフマネジメントができる人なのである。こういう人はチャンスがあれば集団のマネジメントもできる人だ。どういった分野でも、こういう人は成功する。


(参考:淡路恵子『死ぬ前に言っとこ』(廣済堂出版))



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