「名言との対話」 9月5日。小林陽太郎「素心深考」
小林 陽太郎(こばやし ようたろう、1933年(昭和8年)4月25日 - 2015年(平成27年)9月5日)は、日本の実業家。
富士写真フィルム社長の小林節太郎の子。慶應義塾幼稚舎、慶應義塾普通部、慶應義塾高等学校から慶應義塾大学経済学部卒業、ペンシルベニア大学ウォートン・スクール修了(MBA)。後に慶應義塾評議員会・理事となった。
富士写真フィルム入社し、5年後の1958年に富士ゼロックスに転じる。1978年に社長、1992会長。経済同友会代表幹事。経済同友会の終身幹事となった。
こうやって、学習歴や仕事歴を並べてみると、途中で迷うことなく、ストレートに一本道を歩む姿が浮かぶ。
学生時代、東宝の映画俳優になるように有馬稲子に勧められた、というエピソードがある。「ようちゃん」と呼んでいる野田一夫先生からは、「真面目な男」だったが、よくもてていつも女性が取り巻いていたという話を何度も聴いていた。写真をみるとなるほど、ハンサムだ。
『小林陽太郎ー性善説の経営者』(椛島弘文)を読んだ。「人の話を謙虚に聞く、というのは新しい違うアイデアに寛容である、オープンであることの証です」、「意思決定を迫られる人は「なぜやるのか」ということが最終的に問われる。そしてそれに答えなければなりません」が目についた。やや物足りないので、他の言葉を探してみた。
・「なぜやれないか」を訊いているのではなく、「どうしてやるか」を訊いてるんだ。
・ビジネスを成功させるために必要なのはABCDだ!A(Aspire/志を持ち)B(Believe/成功を信じ)C(Commit/本気で取り組み)D(Do/計画を行動に移していく)E(Enjoy/それらを楽しみながら)。
・仕事は常に人間によって行われ、人間のつながりによって進行していくことを忘れてはならない。
・私はオリジナルな考え方があるというより、人の話をよく聞いて活かそうとしてきた。
・古典とは、短い旬を乗り越え、ある意味で「永遠の旬」とでも言ってもいいような普遍的な価値を持つ考え方だ。
名経営者・小林陽太郎は経営者にとって一番大切なものは「正直、、正面から向き合う、、、ウソをつかない」という哲学を持っていた。そして人が働く理由については「おもしろいと思えない仕事は長続きしない。、、おもしろいということは重要なエンジンです」と答えている。
「素心深考」という言葉が響いた。素直な心で、しっかり考えよ、という意味だ。そして正直、信頼、努力、人間への肯定感、理想主義、性善説、継続、、、。小林陽太郎のイメージは陽太郎という命名のとおり明快だ。人間として、経営者として王道をまっすぐに歩んだ人である。
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