見出し画像

「名言との対話」7月4日。トマス・ジェファソン「最小の統治が最良の政府である」

トマス・ジェファソン(トマス・ジェファソン、英: Thomas Jefferson、1743年4月2日(ユリウス暦)/4月13日(グレゴリオ暦) - 1826年7月4日)は、アメリカ合衆国の政治家。第3代アメリカ合衆国大統領

ジェファソンは1876年7月4日に大陸会議で採択された「アメリカ独立宣言」の起草者の原案製作者である。以下、独立宣言の概要。

人間は生まれながらにして平等であり、生命、自由、幸福の追求を含む不可侵の権利を与えれれている。この権利を確保するために政府がある。政府がこの目的に反する場合は新たな政府を樹立する権利がある。

現在の英国王の治世は不正と権利侵害の歴史である。数々の例証をあげる。

これに対し、度重なる歎願を繰り返したが、それに英国王は度重なる権利侵害で応えてきた。自由な人民の統治者として不適任である。英国議会も耳を貸そうとしない。

従って植民地連合は当然の権利である独立国家の樹立を宣言する。

この独立宣言は、後に第2代大統領となるジョン・アダムズベンジャミン・フランクリンら5人の起草委員で構成されていたが、筆の立つジェファソンが原文を起草し、わずかな修正が加わった。

ジェファソンは初代大統領ジョージ・ワシントンのもとで初代国務長官をつとめ、その4年後に第2代のジョン・アダムズのもとで第2代副大統領になる。アダムズの退任後に第3代大統領に選ばれ8年間その職にあった。引退後は、故郷のバージニア大学を創設し総長となった。

2021年に猿谷要アメリカ大統領物語』(新書館)を読んだ。アメリカ大統領は国家元首、行政府の長、陸海空軍の総司令官、政党党首、そして道徳を体現するリーダーであるから、大変な重責だ。この本は歴代の40数人の大統領のそれぞれの紹介をしながら、アメリカ史を概観できる構成になっている。それぞれの大統領が登場した背景、業績、私生活などが手際よくまとめられている。

大統領のランクづけが興味深い。学者とジャーナリストが数十名参加してランクが5段階で決まる。Aランクは11人いる。1位はリンカーン。2位はワシントン。3位はFDRルーズベルト。4位はセオドア・ルーズベルト。5位はアイゼンハワー。6位はトルーマン。7位はジェファソンだった。以下、8位はケネディ。9位はレーガン。10位はジョンソン。11位はウィルソン。そしてオバマは12位でBランクのトップと高い評価となっている。

ジェファソンは1826年7月4日に83歳で死去している。独立宣言の採択から50周年の記念日であった。ライバルであり親友でもあった第2代大統領のジョン・アダムズは、同じ7月4日にジェファソンの死去の数時間後に亡くなっている。奇跡だとしかいいようがない。

ジェファソンの偉大さは、政治家としての卓越した業績だけではない。弁護士(弁護は苦手)、園芸学者、建築家(「ジェファソン風建築」)、考古学者(「考古学の父」)、古生物学者、発明家、博物学者でもあったのだ。

ワシントンのジェファソン記念館には「私は神の祭壇に掛けて、人の心に及ぼすあらゆる形の専制に対する敵意を誓う」という言葉が彫られている。「最小の統治が最良の政府である」という信条とともに、アメリカ国民は長く忘れないだろう。ジョージ・ワシントン、ジャオン・アダムズ、トーマス・ジェファソンと続く、3代の大統領の20年近くの治世でアメリカ合衆国の基礎が固まった。彼らは建国の英雄であるだけでなく、新世界を切り拓いた人類の英雄である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?