見出し画像

「名言との対話」8月20日。片山直之「売上は人気のバロメーター、利益は知恵のバロメーター」

片山 直之(かたやま なおゆき、1958年1月15日 - 2018年8月20日)は、日本実業家。株式会社サンマルクホールディングス創業者。享年60。

叔父の経営する製菓会社で社内ベンチャーのレストランサンマルクを立ち上げ、31歳で創業、33歳でサンマルクホールディングス代表取締役に就任。創業から30年弱の期間で全国チェーンに展開を成功させた。食堂ガンで死去。

「メディアに出ること自体がリスク」と片山は考えていたから、資料は少ないので、ネットで調べてみた。

亡くなった時のtwitterでの反応によって、片山の経営姿勢を拾ってみた。「戦略ではなく日々のオペレーション改善の積み上げで競合への優位性を確立している」「立地が絶妙」「パンが美味い」「 どれだけ繁盛していても運営コストが合わなければ撤退する事を徹底している」「オペレーションによる差別化、仕入れとか採用とか店舗コストとか、見えない点に秀逸な積み上げがあって地味に成り立ってる」、、、。

サンマルク 東南アジア統括CEO三宅隆文氏のインタビューを読んだ。

勝つべくして勝ってきている常勝軍団。サンマルクホールディングスの事業会社のトップになるには、社長直轄の経営塾を卒業しないといけない。片山経営塾では、売上は人気のバロメーター、利益は知恵のバロメーターと教えられた。

焼きたてのおいしいパンが食べ放題であり、手ごろで楽しめる店で、私も家族でよく利用したきた。

売り上げが多くても、利益が少なくては経営が機能しているとはいえない。売り上げと利益の関係を言い当てた片山の言葉は、商品がすぐれていても、仕組みが磨かれてなくて、システムが脆弱ならば、永続性に欠けるということを意味しているのだろう。人気に溺れず、知恵を出し続けることだ。トップのもっとも重要な仕事は、仕組みを磨き上げることだ。黙っていても売れて儲かる仕組みの構築こそが、永続をもたらす。

2018年に片山直之が亡くなってからの業績の推移はどうなっているか。それはあのコロナ禍であった。2020年3月期の経常利益はプラス43億円、2021年はマイナス3.6億円、2022年はプラス24億円、2023年はプラス15億円、2024年はプラス27億円である。一次的な落ち込みはあるが、人気ノバロメータである売上高を含め、智恵のバロメータである利益も回復途上にある。「仕組み」は磨かれながら、生きているようである。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?