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「名言との対話」1月12日。木之下晃「音楽を撮る」

木之下 晃(きのした あきら、1936年7月16日 - 2015年1月12日)は、日本の写真家。享年78。

日本福祉大学で学ぶ。中日新聞社博報堂を経てフリー。木之下晃は、1960年代から半世紀にわたり一貫して、「音楽を撮る」をテーマに撮影。写真については「音楽が聴こえる」と、カラヤンをはじめ、バーンスタインなど音楽関係者から高い評価を得ている。

次女の木之下貴子によれば「音楽写真家と呼ばれ、「音を撮る」ことに全精力を注いだ人生でした」とのことだ。写真家として最後までフィルムでの撮影と現像にこだわり、3万本ものフィルムが手元に残った。2010年に、(株)木之下晃アーカイヴスを設立し、写真のデータベース化に取り組んでいる。

モーツアルトへの旅』では、30都市以上に及ぶヨーロッパ各国のゆかりの地を豊富な写真で辿り、伝記を読みながら、天才の偉業を振り返った。定評のある新潮社の"とんぼの本"シリーズの中でもよく売れている本だ。

『ベートーベンへの旅』の旅では、ボン、ウィーン、プラハなど、ゆかりの地を写真で辿りながら振り返り、その偉業を検証している。JAL時代に仕事で海外取材のお手伝をしたことがあり、これらの本を手に取って素晴らしい写真と文章を楽しんだ。

木之下晃は写真集など約45冊以上を刊行、写真展約80回開催以上開催した。そして海外政府からの招聘も、アメリカ・イギリス・スイス・フィンランドチェコスロバキア東ドイツ・カナダなど15回以上を数える世界的な音楽写真家だった。

木之下晃は「音楽を撮る」「音を撮る」がテーマであったが、映画の録音技師・杉本文雄は「映画の録音は「画にあった音を録る」というのが基本なんだ」「生きた音を録れ」と後輩を指導していたことを思いだした。「音を録る」杉本に対し、音楽写真家・木之下晃は「音楽を撮る」ことに生涯をかけた。


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