「名言との対話」6月30日。大島康徳「振りきった、生ききった」
大島 康徳(おおしま やすのり、1950年〈昭和25年〉10月16日 - 2021年〈令和3年〉6月30日)は、日本のプロ野球選手、監督、解説者。享年70。
大分県中津市出身。中津工業に入学後に野球を始める。卒業後に1969年投手としてドラフト3位で中日に入団するが水原監督が打者としての素質をみて、野手にする。1976年に1シーズン代打7本塁打の日本記録をつくる。1983年には36本でホームラン王。1990年、日本ハムに移籍。プロ在籍26年、44歳の現役最高年齢を記録し、1994年に引退。通算2204安打、2割7分2厘、382本塁打、1234打点。2000年日本ハム監督。2006年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)打撃コーチ。評論家としても活躍。
現役生活26年は、山本昌32年、工藤公康・中嶋聡、野村克也・谷繁元信に次ぐ記録である。
通算の代打ホームランは20本で歴代2位であるが、これは好不調の波が激しかったから代打も多かったかきの記録である。「配球を読んでヤマを張る」、そして「ファーストストライクを狙う」というスタイルで、ホームランを量産した。
2006年の第1回WBCの優勝時には、打撃コーチとして金メダルを首にかけられて号泣した。オリンピックに出場するのが夢だったと語っている。
評論家としても、テレビで明るいキャラクターで、活躍した。その姿はわたしもよく見ている。
大島はブロガーだった。「この道」というタイトルのブログを書いていた。2006年に大腸がんのステージ4であることを公表した。その4年半後まで生き抜いている。「病気に負けたんじゃない。俺の寿命を生ききいたということだ」と没後に更新されたブロで語っている。このブログは、妻の奈保美さんが、時折書いている。最新は6月5日だった。
こういうエピソードは、『振りきった、生ききった』というタイトルの著書で読むことができる。この本は「一発長打の大島くん」の遺書でもあった。
運命にさからわず、失敗を悔やまず、忘れ、切り替えて前に進む。すべてを受け入れ、慌てず騒がず、先を見て歩いていく。著書のタイトルのとおり、思い切りバットを振りきった現役時代と同様に、引退後も本人がいうようにやりたいことをやった、生ききった幸せな生涯であった。
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