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「名言との対話」9月11日。鳩山安子「政治が国民の皆様を向いていない。もう2人で一緒におやりになったらいいじゃない」

鳩山 安子(はとやま やすこ、旧姓:石橋、1922年9月11日 - 2013年2月11日)は、ブリヂストン創業者・石橋正二郎の長女、鳩山威一郎の妻、鳩山由紀夫・邦夫の母、鳩山紀一郎・太郎・二郎の祖母である。

鳩山安子は、民主党政権の総理大臣・鳩山由紀夫と、文部・労働・総務大臣を歴任した鳩山邦夫の母である。この二人の兄弟の父・威一郎は外務大臣、大蔵次官である。

その父・鳩山一郎は総理大臣として「友愛」を掲げ、日ソ国交回復を成し遂げた。「闘病生活は一つの精神闘争なのである」との名言がある。妻・薫は共立女子学園理事長。

その父・鳩山和夫は衆議院議長。色紙には「公徳」と書いている。妻は春子。

日本の政治家の家系では、岸・佐藤・安陪と長州出身の3人の総理を出した一族と並ぶ、華麗なる一族だ。

2005年に一郎が建てた鳩山会館を訪問した。「バラの庭を前に建つイギリス風の外観、ハトをモチーフとするステンドグラス、アダムスタイルの応接室」(藤森輝信東大教授)という、豪華なこの会館は、鳩山御殿と呼ばれている。鳩山会館の庭には和夫・春子の像が建っていた。朝倉文夫の作である。

鳩山会館で、ただ一冊販売していた『鳩山家の勉強法』(通信勉強指導塾アテネ (著)。ゴマ教育ブックス) を買った。母・安子は由紀夫、邦夫兄弟には家庭でも早朝から自ら教え、別の高校に入学させ東大受験に備えた。その結果、由紀夫は東大工学部に入り、当初は学者になった。邦夫は、高校時代には旺文社模試で全国1位を取っている。

鳩山安子は「ゴッドマザー」と呼ばれている。ブリジストン創業者・石橋正二郎家の相続で103億円の一部、鳩山家の相続で152億円を受け継いだ。その他でも年間配当だけで3億円を超えるブリヂストン株1200万株(170億円相当)を保有していた。

2人の息子の政治資金や民主党結成費など、政治家一族・鳩山家を金銭面で支援していた。「もう2人で一緒におやりになったらいいじゃない」と、自民党を離党し新党「さきがけ」にいた由紀夫、自民党にいた邦夫にアドバイスした。そのすすめにしたがって、2人は1996年に菅直人らと民主党を結成し、2009年に由紀夫は自民党を破り、総理に就任した。

安子は「ウチも3人も政治家を出して、有権者の皆様に迷惑をかけている」とも語っている。この「迷惑」の中身は何だろうか。安子本人は「ゴッドマザー」という呼ばれ方は不本意だったそうだが、改めて調べて見て、その呼称は当たっていたように思う。

日本女子大を創設した広岡浅子は「犠牲的精神を発揮して男子を感化する者とならねばなりません」と言い、実践女子大を創設した下田歌子は、「社会風潮の清濁は、その源男子にあらずして女子にあり、、、まことに揺籃を揺るがすの手は、以て能く天下を動かすことを得べし」と語っている。

人材を輩出する家には、立派な女性の存在を感じる。祖母として、母として、妻として、男子を慈しみ、育て、鍛え、助ける女性、男が間違った方向に行かないように善導する女性の存在がかならずあるのだ。

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