「名言との対話」11月27日。昇地三郎「降りかかってきた禍を『困った、困った』と逃げ回っていると、どこまでも追い掛けてくる。それを、試錬と捉えて『来るなら来い』と立ち向かっていけば、禍が逆に幸福の種になるのです」
曻地 三郎(1906年(明治39年)8月16日 - 2013年11月27日、旧姓:山本三郎)は、日本の教育者、教育学者。教育学・心理学・精神医学が専門。享年107。
私財を投じて日本初の知的障害児通園施設しいのみ学園を設立、運営した人である。
北海道釧路市出身。広島師範学校(広島大学)に入学。専攻科(大学院)に進学。広島文理科大学心理学科で教育心理学を学び卒業、後に文学博士の学位を取得。福岡学芸大学教授。九州大学で精神医学を学び、後に医学博士の学位を取得。
29歳で結婚する。長男、次男とも脳性小児まひにかかる。1954年には日本初の養護学校「しいのみ学園」を設立し、障害児教育に挺身する。
著書『ただいま100歳~今からでも遅くはない~』、しいのみ学園のホームページから昇地三郎の考え方を聞こう。
10代 親の言うことを聞こう。20代 まず「やってみる」。良い配偶者を得る。30代 子育ての時代。親子で希望の星を求めよう。40代 最も花の咲く時期。勝負をせよ。50代 人災の最高の時。60代 飛躍の時。自分の学問・実績を広げよう。70代 70くらいで屈してはならない。自分を鍛えよう。80代 半分の40代のつもりで頑張ると気力が出てくる。90代 今からでも遅くはない。15歳の意欲でいよう。100歳 Go ahead! 前進、また前進。
十大習慣健康法。①まず笑顔②冷水摩擦③棒体操④祈る⑤一口三十回噛む⑥ラジオ講座を聞く⑦新聞を読む⑧口八丁手八丁足八丁⑨日記を書く⑩背骨を伸ばして寝る
十大教育原理。1.活動の原理 揺さぶる。刺激を与えて反応させる。2.興味の原理 あら、何かしら、という興味を引き出す。3.許容の原理 叱らない教育4.賞賛の原理 褒めて伸ばす。5.自信の原理 達成の喜びを経験させる。6.予見の原理 先を見る。7.変化の原理 マンネリズムかを避ける。8.集中の原理 ここぞという時にはやり遂げさせる。9.共在の原理 先生と子供がいつも同じ空間にいる。10.体感の原理 スキンシップ。
「オシャレをしなくなった日から老いが始まる」。昇地三郎は奇抜な格好をしていたが、それは意識したアンチエイジングだったのか。十大習慣健康法、十大教育原理など、この人の前向きの人生の言葉には励まされる人が多いだろう。
『困った、困った』と逃げ回っていないで、『来るなら来い』と立ち向かっていく。文学博士、医学博士と2つに学位を持っているセンテナリアン・昇地三部の107年の盛大な生涯を眺めると、それを実践した人だったことがわかる。