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#179 千代の富士の名言と『嫌われる勇気』の共通点

千代の富士が1000勝を達成した際、「次の目標は?」と問われて「1001勝」と答えた言葉は、しびれますよね。
その精神性はアドラー心理学の考え方を提示した『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健)の内容と共鳴するように思いました。本稿では、その共通点について私の解釈も踏まえて書いてみたいと思います。

「いま、ここ」を生きる姿勢

『嫌われる勇気』、特に終盤では、「人は過去の出来事に縛られる必要はなく、未来を心配する必要もない。大切なのは、いまこの瞬間をどう生きるか」というアドラーの教えが強調されていたのが印象的でした。
千代の富士の「1001勝」という答えも、まさにこの哲学を体現しているように思えます。
1000勝という偉業を成し遂げた瞬間、彼は「過去の達成」に囚われることなく、また「未来の大きな目標」について考えるのではなく、「次の一歩」に意識を向けました。
普通、次の目標って言われたら、「1500勝」とか「2000勝」とか言ってしまいそうなものですが。
この姿勢は、アドラーの「いまを生きる」ことの重要性を彷彿とさせます。

他者の評価ではなく、自分の軸を持つ

『嫌われる勇気』では、「他者からの評価に左右されず、自分の人生を自分の意志で生きること」が大切であるということについても触れていました。千代の富士の「1001勝」という言葉にも、記録や他人の称賛を求めるのではなく、自分の信じる道を進み続けるという強い意志が表れています。

多くの人が「1000勝」を達成したことで満足するかもしれません。しかし、千代の富士は周囲の賞賛や歴史的意義ではなく、「自分の相撲人生において、今この瞬間、何をすべきか」にフォーカスしました。これは、アドラーの「他者の評価を気にせず、自分の課題に集中する」という考え方と共鳴する部分が大きいと言えます。

「目の前の一歩」に集中する強さ

千代の富士の「1001勝」という言葉は、単なるスポーツ選手の目標を超えて、「人生において最も大切なのは、過去や未来に囚われることなく、目の前の一歩を進むこと」という普遍的なメッセージを含んでいるように思えます。

『嫌われる勇気』におけるアドラーの思想と同様に、この言葉は「いま、ここ」に意識を向けること、他者の評価ではなく自分の軸で生きることの大切さを教えてくれました。


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