お別れのうた

君が部屋を出たら
私は音を殺して
ドアに施錠する

お別れの立てる音が
君へ響かぬように
何一つ悟られぬように

君とのじゃれ合いは好き
君との雑談も好き
けれど君とのお別れは嫌い

お別れすら愛の一部なら
それを愛するのは私の義務か
いくら生きても果す気がない

君が目の前を去って
私はベッドへ潜る
君の痕跡を抱擁する

君から剥がれて
私にこびりついた一部が
生きられるよう暖める

君の身体は好き
君の思考はありきたり
全部を愛する予定

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ヒサシ
Writer of Wide Scence