不安
何度眠り直しても眠気はやまない。
窓の外を落下する雨は鮮烈な轟音と
折に反響した耳鳴りのような妙な音鳴る。
腹に溜まった昨晩の飯が
腐ってしまったように体が重い。
古い敷布団の逆立った毛が肌を攻撃する。
景色が美しくて目が痛い。
呼吸すら怪しくなる
不安がやまない。
まるで世界が金槌に叩かれて
何らかの変貌を遂げたみたいに
それか私が金槌で叩かれ
妖怪変化の類になってしまったか
なんて不安が往来する。
死にたいわけじゃあないのに
ベランダを乗り越えたら何が
待っているか気になってしまう
私という存在にとうとうガタが来て
発狂の瞬間を迎えたのだろうか
睡眠の最中にそれが来なかったのは
せめてもの救いかい。
いいなと思ったら応援しよう!
Writer of Wide Scence