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しんどいとき助けになる音楽(52)〜 映画『マンハッタン』サウンドトラック

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Manhattan: Original Motion Picture Soundtrac

ウディ・アレンの映画『マンハッタン』(日本での劇場公開は1980年)のサウンドトラック・アルバム(79)が大好き。映画館で本編を見るよりも前にサントラ盤LPがレコード・ショップに並んでいて、モノクロの摩天楼をあしらったジャケットが好きになって買って聴いて、その音楽のファンでした。

映画のほうは個人的にさほどでもなかったんですが、ジョージ・ガーシュウィン一色で塗り込められたサントラのほうは当時からいまでもずっと愛聴しています。Spotifyにあるのを見つけたときはそりゃあうれしかったなあ。

レコードのA面が「ラプソディ・イン・ブルー」でB面は小品集。いずれもズービン・メータ指揮ニュー・ヨーク・フィルの演奏です。「ラプソディ・イン・ブルー」はこのアルバムで知った、わけじゃなかったんですが、いままでにいちばんたくさん聴いたのは間違いなくこのヴァージョン(ピアノはゲイリー・グラフマン)。

それもすばらしかったけど、個人的にことさら愛聴してきたのはB面のガーシュウィン・メドレーです。ジャズ・ミュージシャンもよくやってきた小唄ばかり、それをクラシックのシンフォニー・オーケストラがやるとこんなふうになるんだという新鮮さで、いま聴いても大好き。

ジャズの歌手や演奏家がやるときとは曲メロのアクセントというか歌わせかたがかなり違っていて、えっ?これがあの曲?とトラックリストをながめながら違和感をいだくことも最初はありました。同じ曲だとわからなかったりもして。

いまではクラシック音楽ならではのフレイジングがあるんだと理解できるようになりましたし、やっぱりオーケストラの、特にストリング・セクションが出す優雅な響きがぼくは大好きなんですね。それでもって聴き慣れたガーシュウィンの曲がこんなふうになれば、もう文句なしの心地よさ。

なお二曲だけオーケストラではなくジャズ・コンボによる演奏がフィーチャーされています。

(written 2023.11.7)

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