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アフロ・クレオールな伝統音楽と現代ビートの融合 〜 グレイス・バルベ
(2 min read)
Grace Barbé / Welele!
bunboniさんの紹介で知りました。
インド洋はセーシェル出身の女性歌手、グレイス・バルベ。現在はオーストラリアで活動しているそうですが、そのアルバム『Welele!』(2013)を聴きました。なかなかいいですよね。特に好きなのはリズムとエレキ・ギター。セーシェルの音楽をなにも知りませんので、これがなんなのか実感がありませんが、楽しいことには違いありません。
特にオープニングの1曲目。「アフロ・セガ」と題されていますが、もうこのリズムが気持ちいいったらありゃしない。セーシェルの伝統的なアフロ・クレオール・リズムであるセガを土台にしたものらしいですが、それにくわえヒップ・ホップ以後的な感覚もプラスされているようにぼくには聴こえます。ハチロクのアフロ・ファンクでもあるし、アフロビートっぽい感じだってあるでしょう。
しかもこのエレキ・ギター。カルロス・サンタナを連想させる音色とフレイジングで弾きまくり、こりゃ快感ですよねえ。弾いているのはイギリス出身のジェイミー・サールというギターリストなんだそうですが、ジェイミーはグレイスと共同で曲も書き、音楽監督もやっているみたいですよ。それでこんな現代的な音楽に仕上がっているんですかね。
もうこの1曲目だけでこのアルバムのトリコになっちゃいそうですが、2曲目以後もアフロ・クレオールの伝統と現代的なビート感覚がムリなく溶け合って、なんともいえないうまあじをかもしだしています。9曲目だけは鮮明なレゲエで、これだけがちょっとした変わり種ですね。
(written 2021.2.11)