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アフリカ音楽の原点回帰 〜 ウム・サンガレ

(2 min read)

Oumou Sangaré / Acoustic

bunboniさんのブログで知りました。

マリの歌手ウム・サンガレ(Oumou Sangaré)の2020年作『Acoustic』は完全アンプラグドで、タイトルどおり完全アクースティック・サウンドを徹底したアルバム。ンゴニ、ギター、曲によっての鍵盤、二名のコーラス、とたったそれだけのサウンド・メイクで挑んでいます。

しかもスタジオで一発録音だったそうで、その際通常だったらつけるヘッドフォンもなし。たぶん、少人数のメンバーで向き合ってのライヴ・セッションだったんでしょうね。オーヴァー・ダビングもなしみたい。曲は過去に発表されていたものの再演ばかりだそうですが、そのことについてはなにも知らないので。

とにかく生音のライヴな響きを大切にしてていねいにつくりあげた作品ということで、アフリカ音楽らしい生々しい質感とライヴな音の躍動感をみごとに表現できていますよね。ウムの声もイキイキとしていて、うむ、ンゴニとギターが中心になって織りなすシンプルなサウンドによく似合っています。

アフリカ音楽はもとはといえば、こういったナチュラルでオーガニックな質感を得意としていたものでしたが、電気・電子楽器やスタジオ・テクノロジー、コンピューターの発達などで、綿密につくり込む作品も増えています。ウムも近作はそうだったんだそうで、その失敗を踏まえて、今回こういったプロダクションを選択したんでしょう。

音を重ねすぎたりつくり込みすぎたりいじくったりなどしない、スッピンの、あるいはナチュラル・メイクの、その素朴でストレートなヴォーカル&サウンドが心地よく響くウム・サンガレなのでした。アフリカ音楽の原点回帰を聴くような思いです。

(written 2021.2.22)

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