ブルーズは心の安心毛布 〜 ブルーズ・ロック・ギターをちょっと(2)
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Some Blues Rock Guitars
2018年に書いた文章のくりかえしになってしまうんですけども、ほんとうに好きでいつでもよく聴く癒しなので、また言ってもええじゃないか。個人の趣味ブログですから。
ナスティな感じのブルーズ・ロック・ギターをたっぷり浴びるほど聴きたいっ!という気分になることがぼくにはときたまあって。なにを聴いてもなんだかピンとこない、心が寒いっていう不調時の安定剤としてもいいんです。
だからいつでもぱっと聴けるように、根っから大好きなものだけ集めてプレイリストにしてありますが、問題はSpotifyでのそれとMusicアプリ(旧名iTunes)でのそれがちょっとだけ違うってこと。
というのもプリンスの「パープル・ハウス」がサブスク配信されていません。ジミ・ヘンドリクスの「レッド・ハウス」をリメイクしたもので、これが収録された2004年の『パワー・オヴ・ソウル』というジミヘン・トリビュート・アルバムはCDしかないんです。
なので「パープル・ハウス」だけはSpotifyプレイリストのほうには入れられず、残念ですけど。これも聴き逃したくないので、ブルーズ・ロック・プレイリストを再生したくなったらいつもMacのMusicアプリを起動させています。CDをお持ちでないかたのためYouTubeリンクを貼っておきましょう。
今回のプレイリストは、前回2018年に作成して記事にしたのを基本的にそのまま活かしながら、数曲は新規に足したり削ったりもしているので、いちおう以下に演者と曲名を書いておきましょう。
The Allman Brothers Band / Statesboro Blues
Mike Bloomfield / Albert’s Shuffle
Fleetwood Mac / Shake Your Moneymaker
Jeff Beck / I Ain’t Superstitious
Derek & The Dominos / Have You Ever Loved A Woman
Frank Zappa / Cosmik Debris
Led Zeppelin / I Can't Quit You Baby
The Rolling Stones / Stop Breaking Down
Van Morrison / Bring It On Home To Me
Stevie Ray Vaughan / The Sky Is Crying [Live]
Jimi Hendrix / Red House
Prince / Purple House
Prince / The Ride
Paul McCartney / Matchbox
ジャズにしろロックにしろ、このへんのくっさぁ〜いブルーズ系のものはイマイチだという向きもいらっしゃるようですし、近年の最新音楽トレンドからすればますますそうなりますよね。
時代遅れだなと思いはするものの、個人的に好きでたまらない、聴けば快感で心地よく、特にそれ系のロックでエレキ・ギターがぎゅんぎゅん鳴っているものなんか、これ以上に安寧できる音楽が個人的にはないなあと思うほど。どうにも抜けない嗜好なんですから。
ダーティな弾きまくりじゃないものも一曲だけ入れてあって、9曲目のヴァン・モリスン「ブリング・イット・オン・ホーム・トゥ・ミー」(サム・クック)。2017年のアルバム『ロール・ウィズ・ザ・パンチズ』からと、本プレイリスト中最も近年の作品。ブルーズというよりソウル・ナンバーですが、ジェフ・ベックのギターが美しいので。
これ以外は1960年代末〜70年代前半のものが多く、しかもUK勢中心ですよね。これはあきらかに一つの傾向を示しているといえます。60年代デビューのUKブルーズ・ロック・バンドがこういった世界をリードして一時代を築いたのはまぎれもない事実。
個人的には高校二年でレッド・ツェッペリンにはまって、スクール・バンドでコピーするようになり、それをきっかけに同様のロックが好きになりました。高三で電撃的にジャズ・ファンになってもやはりブルーズやそれベースの曲や演奏が大好きだっていうその素地は、UKブルーズ・ロックを聴くことで養われたものでしょう。
とことん突きつめて、そんな数々のUKブルーズ・ロック・バンドがカヴァーしていたオリジナルの米黒人ブルーズ、リズム&ブルーズ、ソウルなどアメリカン・ブラック・ミュージックが血肉にしみわたるようになりました。1990年代の戦前ブルーズCDリイシュー・ブームだって、はまる地固めができていたのはローリング・ストーンズやレッド・ツェッペリンらのおかげだったんですから、ぼくのばあいは。
でも、ブルーズ・ロック・ギター、聴けば気持ちいいっていう、たんなるピュアでシンプルな生理的快感なだけですから、ここに理屈なんかあるわけないです。だれがどう言おうとも、好き!
(written 2022.2.14)