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ラウンジーでクラビー 〜 ジェブ・ロイ・ニコルズ
(2 min read)
Jeb Loy Nichols / Jeb Loy
萩原健太さんのブログで知りました。
米ワイオミング生まれ、もとはカントリー・ロックのひとで、ここ10年は英ウェールズに住んでいるらしいジェブ・ロイ・ニコルズ。1981年以後ロンドンでずっと活動していたそうで、それっぽいアシッド・ジャズ〜レア・グルーヴな要素もあわせ持つ音楽家じゃないかと思います。
そんなジェブ・ロイの2021年新作『ジェブ・ロイ』がなかなかいい。ヴィンテージ・ソウル系のリリースを連発しているフィンランドのインディ・レーベル、ティミオン・レコーズからリリースされたもので、そのハウス・バンド的存在であるコールド・ダイアモンド&ミンクが伴奏です。
実際アルバムの中身も1970sなソウル・ミュージックっぽさで満たされているといってよく、そこにジェブ・ロイ独自のフォークやカントリー、ロックなどもごった煮にしながら、そうですね、ずっと前のよかったころのヴァン・モリスンを思い起こさせる音楽に仕立てています。
ちょっとやさぐれ気味のルーズなグルーヴ感とか、アクースティックな手触りに満ちたソウルフルなサウンドや、メロウなメロディはジェブ・ロイならでは。アシッド・ジャズっぽいというか、要するにクラブ・ジャズ系のグルーヴ・テイストがはっきり感じとれるのは、本人のキャリアもさることながらバンドの貢献が大きそう。ギター・カッティングとかハモンド・オルガンとか。
ジェブ・ロイみたいな内省的なつぶやき系ヴォーカルは、本来ブラック・ミュージックとは相性のよくないものでしたが、このアルバムではいい感じに響くというか、ボソボソしゃべっているようなのがかえってラウンジーでクラビーなムードをかもしだしているといえるかも。
(written 2021.12.27)