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トラック・メイクとビート感がいい、イロム・ヴィンス『Amewunga』
(2 min read)
Elom 20ce / Amewuga
bunboniさんのブログで知りました。
いいジャケットですよね。それだけで聴きたくなる、トーゴ人ラッパー、イロム・ヴィンス(Elom 20ce)の新作アルバム『Amewuga』(2020)、なかなか聴ける内容です。前から言っていますように、ラップそのものはイマイチ好みじゃないぼくなんですが、バックのトラック・メイクやビート感は大好きなんです。
そう、この『Amewunga』でもイロムのラップはさほど聴いていなくて、もっぱら伴奏というかトラックを聴いているんです。すると、これ、たいへん心地いいですよね。アフリカ由来のサウンド、アフリカニズムがしっかりと刻印されたこのトラック・メイクが大の好みです。
曲ごとに工夫が凝らされているのも好感度大。親指ピアノをサンプリングして散りばめながら効果的に使ったり、コラとバラフォンを後景に置いて子どもと会話したり、フリーキーなサックス・ソロをフィーチャーしたりなどなど、随所に精巧なつくりが聴かれます。演説が挿入されているものもあり。
全体的にやや重たいムードが支配しているこのアルバム、しかしハイライトといえる13曲目「Agbe Fabi」でだけはパッと明るい陽光が差し込むかのよう。ビート感もヒップ・ホップ的ではなく、管楽器隊もフィーチャーされたこれは、トーゴリーズ・ファンクの往年の名シンガー、ロジャー・ダマウザンをフィーチャーしたダンス・バンド・ハイライフ。最高です。
(written 2021.7.24)