息抜きも音楽で 〜 アンダーシュ・モゲンセン&カール・ウィンザー
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Anders Mogensen, Carl Winther / Brazilian Moods
デンマークのドラマー、アンダーシュ・モゲンセンっていうのがだれなのかちっとも知りませんが、カール・ウィンザー(同国人ピアニスト)とのコラボで出したアルバム『ブラジリアン・ムーズ』(2022)は、欧州人植民地主義目線の音楽かもですが、わりかし聴きやすくて軽い息抜きにはいいんじゃないかと思います。
ピアノ・トリオ+(曲により)ストレート・サウンドのエレキ・ギターっていうシンプルな編成で、しっかりした歯ごたえみたいなものはありませんが、リラックスできるふにゃっとしたBGMとして格好で、こういうのもときどきいいんですよ。
ごらんのとおりジャケットは熱帯路線の原色づかいで、でも中身の音楽にそんな部分はあまりありません。そもそもブラジルふうと謳っているものの、ブラジル音楽要素だってさほど濃くはない軽快ジャズ・ロック・フュージョン。
ブラジリアン・ミュージックっぽさを感じるのは、かろうじて全曲のビート感にうっすらくらいなもんで、それはややチック・コリアと初期リターン・トゥ・フォーエヴァーを思わせます。
だからつまらんっていうんじゃなく、こういうスーパーとかデパートなどのBGMでかかっていそうな軽い音楽がぼくはちょっと好きなんです。緊張せず肩肘張らずにリラックスして聴けるし、正面から向き合って真剣勝負で聴くっていうものばかりじゃ疲れちゃうでしょ。
息抜きも音楽でやりたいんで、だからこの手のアルバムをけっこうたくさん保存(アプリで)しているんですよね。おだやかで軽いソフトなサロン・ミュージックはここ数年流行になっていますし、BGMの効用ってものもありますから。
(written 2023.1.11)