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逆境をバネに 〜 中澤卓也『HANDS MADE』
(2 min read)
中澤卓也 / HANDS MADE
中澤卓也の5/30大阪メルパルク・ホール公演に行くんですが、さきがけて新作アルバム『HANDS MADE』(2023)が4月12日に出ました。5.30はバンド・ライヴなので、やっぱりこの作品からの曲が中心になるんでしょう。
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演歌のフィールドでデビューしてやってきた卓也ですが、独立後(インディー活動ともいう)はさわやかJ-POPっぽい路線を走っていて、新作『HANDS MADE』も同じです。全曲自身の作詞。作曲はレギュラー・バンドのメンバーですが卓也も一部でチャレンジしています。
アルバム題やジャケット・デザインがすでに手づくりを示していて、こういったことはレコード会社のサポートが得られなくなったせいではありますが、逆境をバネになんとか再起せんと懸命に奮闘している姿に接すると、全力で応援したくなります。そういう魅力が卓也の声にはありますよ。
重厚感のある1「SHOW TIME」ではじまって、続く2「Magical Summer」は軽やかに駆ける感じ。しっとりバラードをはさんでの4「Umbrella」は2/4拍子のレトロなスウィング・ジャズふう。ベースだってコントラバスが使われています。時流を読んだってことでしょうね。
さらに一曲おいての6「君の未来を願う詩」ではメロディ展開に沖縄音階フレーバーがほのかに香っていて、それもすれちがいざまにふわっと鼻をくすぐるだけのさっぱりした感じで、いいですね。
ラスト7「またね」はHome Recording Ver.とあるように、おそらく自宅で簡易に録音しただろうひとりでのアクースティック・ギター弾き語り。つくり込まない卓也の身近で親しみやすい素顔みが出ていて、「手づくり」というアルバムをしめくくるには恰好です。
(written 2023.4.12)