いまどきラーガ・ロックな弾きまくり 〜 グレイン・ダフィ
(2 min read)
Gráinne Duffy / Dirt Woman Blues
アイルランドのブルーズ・ギターリスト、グレイン・ダフィは、いままでにヨーロッパで多くの音楽賞を受けてきた存在らしく、なんでもアイルランドを代表するブルーズ・ギター・ウーマンと評されているとのこと。
そんなグレイン、USアメリカ進出六作目にあたる最新作『Dirt Woman Blues』(2023)が出ましたので、ちょこっと手短に書いておきましょうか。聴いてみたら、特にギターのほうは印象に残るものがありましたから。
ダートなんていうことばを使ってあることがブルーズ・ミュージックなんだという端的な表現ですが、実際の音楽はそんな泥くさくナスティな感じはせず、もっとさっぱりしている印象です。ブルーズというよりロックですしね。
それでもぐいぐい弾きまくり聴き手をうならせる場面が多少あります。特に6「Sweet Liberation」後半のジャム・パートとか、8「Yes I Am」のギター・ソロ・パートとか。後者なんかむかしのことばでいうラーガ・ロック(古っ!)そのもので、70年代にいっぱいあったあんな雰囲気そのまんまの熱い熱い弾きまくり。
こうした部分はギターリストとしての腕前を存分にみせつけるもので、じゅうぶん聴きごたえがあります。もちろんスタイルとしては古いんで、エレキ・ギター弾きまくりソロのあるブルーズ・ロックとかは、ぼくは大好きだけど新世代音楽好きとかにはアピールしない音楽かもしれません。
(written 2023.6.4)