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まるでパット・マシーニー・グループ 〜 レオ・リベイロ

(3 min read)

Leo Ribeiro / Paisagem

bunboni さんに教わりました。

レオ・リベイロ(Leo Ribeiro)の2019年作『Paisagem』。ブラジルはミナスのギターリスト&シンガー・ソングライターなんですが、このアルバム、聴いて笑っちゃいましたねえ。もう完璧に1980年代のパット・マシーニー・グループそのまんま。音楽のつくりがそうなんですよね。違いは?といえば、パットと違ってレオは自分で歌っているというところくらいでしょうか。

といってもパットのああいった音楽(『スティル・ライフ』や『レター・フロム・ホーム』など)がもとはといえばブラジルはミナスの音楽から非常に強い影響を受けて成り立っていますので、ミナスのレオからしたらべつに猿真似をやったわけじゃないのかもしれません。パットと盟友ライル・メイズに捧げた曲もあるので、もちろん意識はしているんでしょうけどね。

もうホント、(最近の新世代)ミナス音楽のことが嫌いなくせに1980年代パット・マシーニー・グループの大ファンで大ファンで、もうたまらなく大好きで、聴いているだけで、いや、想像しただけで感極まってしまうほどのファンであるぼく。だからレオのこの『Paisagem』も本当にお気に入りなんですよ。あのへんのパット・マシーニー・グループがお好きなみなさんであれば、間違いなく全員ハマると思います。

この空気感、サウンド・メイク、リズム・フィール、ヴォーカルの活用法、それからレオはパットほどにはギター・ソロを弾かず、ヴォーカルとトータルなサウンド・メイクにほぼ徹していると思うんですけど、たまにちょろっと出るギター・ソロとかもパット、というかトニーニョ・オルタ・マナー。二番煎じというより、これがミナス・ジャズというものなんだろうなという気がしますね。

アルバムでは終盤クラシック・ギターの技巧を披露するソロ演奏曲が並んでいるのがレオならではというところでしょう。なんでも音楽学校で正式にクラシック・ギターを学んだそう。11、12曲目がエチュード(練習曲)ですが、11曲目のほうはややフラメンコ・ギターっぽい雰囲気です。10、13曲目もソロ・クラシック・ギター・ピースですから、アルバム終盤に計四曲もあるというわけで、ある意味それも聴かせたいというプロデュース意図があるんでしょうね。

プロデュース意図というのは、なんでもこのアルバムはインディーな自主制作盤だそう。30年以上のキャリアを持ち、これだけのハイ・クォリティな音楽をつくりあげるだけの実力の持ち主でも、なかなか正式なフル・アルバム発売のチャンスには恵まれないものなのかもしれないですね。厳しい世界です。

(written 2020.8.23)


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