なかなか上質のジャズ・アルバム 〜 松田聖子『Seiko Jazz 3』
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松田聖子 / Seiko Jazz 3
これもこないだのバレンタイン・デーにリリースされていた松田聖子の新作アルバム『Seiko Jazz 3』(2024)。日本の音楽は水曜日発売が多いですね。本作はカヴァーばかりをそれもジャズ・アレンジでやってみるというシリーズの三作目。
今回はネイザン・イーストをアルバム・プロデューサーにむかえ、サウンド・メイクをまかせています。それがとってもいい仕事をしていますよね。二作目までもそうでしたが、この曲をジャズでやるのかっていう新鮮な選曲も多いのがシリーズの特徴で、本作でもそうです。
1曲目からそうですが、2曲目の「赤いスイートピー」はもちろん聖子の持ち歌。これがジャズになるなんてねえ。ソプラノ・サックスはケニーGらしいですよ。聖子のヴォーカルは歌謡曲をやるときと特段の違いはなし。むかしからこうしたさわやかさやわらかさに持ち味がありましたから。
そしてちょっとビックリはマイケル・ジャクスンの3「Rock with You」。これもジャズになるとは驚きですが、かなりよくはまっています。しかもみごとな躍動感。これなら納得でしょう。
エリック・クラプトンとかシャーデーとかウィットニー・ヒューストンとかのレパートリーもあざやかなできばえで、ロス・アンジェルスと東京の二ヶ所で制作されたというアルバム全体的に、経験のなせるわざなのか落ち着きが聴きとれて、こじんまりしたおだやかなサウンドが魅力のなかなか上質のジャズ作品にしあがっていると思います。
(written 2024.2.23)
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