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再生回数が少なくてもいい音楽はたくさんある 〜 ニーナ・ヴィルチ

(3 min read)

Nina Wirtti / Joana de Tal

ブラジル人歌手ニーナ・ヴィルチの『ジョアナ・ジ・タル』(2012)。もうホント大好きで、いまでもときどき聴くんですけど、それまでもずっと聴いていたころとの違いは、Spotifyアプリに再生回数が表示されるようになったこと(きのうも書いたけど今年四月から)。

するとですね、ニーナのこの『ジョアナ・ジ・タル』もかなり再生回数が少ないんですよ。各曲どれも1万回いってなくて、数千回程度。これ、2012年の作品で、Spotifyサービスが本格化したらすぐ入ったはずなのにねえ。

こんなにわかりやすくて、こんなに楽しくて、キュートでポップな音楽でも、その程度しか再生されないっていう、う〜ん、どうもやっぱりサンバ・ショーロってそれくらいしか聴くひといないのか…。ちょっと一回聴いてみればこの音楽のトリコになってしまうこと必定、と思うのはぼくだけ?

ブラジル音楽が一般的にさほどは聴かれないものなのか、ほかの例をあたっていないのでわかりませんが、でもついこないだ4月30日に解禁されたばかりのジョアン・ジルベルト『三月の水』をちょっと覗いてみたら、もうすでに数十万回も再生されている曲が多いじゃないですか。

これは知名度の差かなあ。ジョアンはボサ・ノーヴァの巨星で知らぬひとのない存在だけど、ニーナ・ヴィルチなんてねえ、知っているひとはかなり少ないんじゃないかと思いますから。音楽は圧倒的に楽しいんだけどなあ。どうして聴いてもらえないんだろうか。

Spotifyのデスクトップ・アプリが曲ごとの再生回数を表示するようになったのも良し悪しで、人気の指標になるから一定の判断ができるようにはなったとはいえるものの、一般のファンはそこまで考えませんからねえ、みんなが聴いているんならじゃあ自分もちょっと聴いてみようかな、くらいに軽く扱うひとが多いのかも。

すると、知名度があってどんどん聴かれる曲はますます聴かれ、人気のない音楽はそのまま低迷状態が続くっていう、そんなことになってしまうような気がします。再生回数が少ないけれど音楽的にはとてもいいんだよ、楽しい音楽なんだよって、もっと引っぱりあげるようなことをしないといけませんよね。ぼくもその一翼を担っているものと自覚して、どんどんオススメ、というかブログで書いていきたいと思います。

ただでさえ、世間一般的にはあまり聴かれない音楽ばかり掘っているのかもしれませんからね。お〜い、みんな、ここにグッド・ミュージックがあるぞ!と、ふだんから声を大にしているつもりですが、もっともっとどんどんやらないと。

(written 2021.5.9)

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