しんどいときに聴く音楽(67)〜 アイオナ・ファイフ
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Iona Fyfe / Away from My Window
スコットランドのフォーク歌手、アイオナ・ファイフのデビュー・アルバム『Away from My Window』(2018)のことを思い出し、ちょっぴりひさしぶりにくりかえし聴きかえしていました。18年にこれを知ったときはそりゃあ夢中だったんですよね。同じCDを三枚も持っていますもん。
フォークというかトラッド歌手ですが、シンガー・ソングライターという側面もあって、本作には自作曲も収録されています。それを実にシンプルな伴奏でつづるアイオナの声は、冬の冷えて澄んだ空気に実によく似合うもの。
いちばん感じるのは、アイオナの天賦の才としか思えない歌声の美しさ、透明感ですが、もっと深い印象を残すのが際立つ強さ。声そのものに強さがあります。しかも同時にやわらかいっていう。そんなアイオナの声は、彼女自身のフォーク歌手としての姿勢と一体化しているように思います。
これでアイオナに惚れちゃってフォローするようになり、TwitterやInstagramも見たり、またFacebookではアイオナのほうからフレンド・リクエストが来ました。ソーシャル・メディア全般でアイオナは活発ですね。
『Away from My Window』以後はきわだった作品がない、っていうかそもそもフル・アルバムがないんですけど、この一作だけでスコットランド・フォーク・シーンに大きな足跡を残したといえる傑作だと思います。
インディ歌手にとって、一つだけでもアルバムをリリースするというのはかなりたいへんなことですから。動画でたくさん観た楽器伴奏に乗って軽く体をゆらしてビートを刻みながら歌うアイオナの強く美しい立ち姿、それが眼前にたちのぼるかのようなアルバムです。
(written 2023.12.29)