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Apple Musicがロスレス配信をはじめました

(5 min read)

6月8日から音楽サブスク・サービスのApple Musicはロスレス配信と空間オーディオ(Spatial Audio)を開始しました。Amazon Musicもやはり高音質配信をやっているみたいで、Spotify派のぼくとしてはやや悔しい気分。

といってもSpotifyも「今年後半」(としか発表されていない)から高音質配信をはじめるということで、だから音楽ストリーミングはネクスト・フェーズに入りつつあるということなんでしょう。

個人的にはアプリのUI外観と使い勝手でSpotifyを愛用してきたわけで、しかし実を言いますと昨年七月まではApple Musicも同時契約していました。未知の音楽でこれは聴きたいと思ったものを、まずSpotifyでさがすけどなかったばあいApple Musicで検索してみるといった使いかたで。

貧乏になったので、使用頻度の低いApple Musicはいったん解約していたんですが、そうはいっても月額たったの980円ですからね、ですので今回のリリースをきっかけにApple Musicも再契約してみました。もともとぼくはApple機器の熱烈なファン・ユーザーでもありますから。

Apple Musicが開始した空間オーディオとロスレス配信。このうちどっちかというとAppleとしては空間オーディオをアピールしたいんじゃないかとみえています。この名前だけじゃどんなものかピンと来ませんが、要するにマルチ・チャンネルのサラウンド再生っていうか、劇場や映画館など現場で聴いているような360度の臨場感のある音楽体験ということみたいです。

それを左右2チャンネルで実現するわけですからもちろんヴァーチャルな技術なわけですが、しかしこの空間オーディオ、最大の問題はApple社製の高級イヤフォン(AirPods Pro)か高級ヘッドフォン(AirPods Max)でじゃないと、現状、実現できないということです。高価なんですよねえ、後者なんか七万円近い価格で。いまのぼくには到底ムリです。

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つまりはそれら高価なイヤフォンやヘッドフォンを売りたいだけなんじゃないかと勘繰ってしまったりもするわけで、だから空間オーディオのほうは事実上の追加投資が必要なわけですから、ちょっと選択肢から外れます。そういうわけで、ぼくにとって魅力だったのはロスレス配信のほうです。こっちはアプリの設定変更だけのことですから。

もともとAppleのロスレス技術は、iTunesへCDをインポートする際に以前から用いられてきたもので、ぼくもずっと使っていました。CDのオーディオ・コーデックは44.1KHz/16bitですが、Appleのロスレス技術はそれを上回る48KHZ/24bitでの転送が可能。CDのサウンドをインポートする際はそれより高音質になるということはありえませんが、音楽ロスレス配信ならばマスター音源の質を損なわずにそのままCD以上のサウンドで楽しむことができますね。

「ロスがない」、すなわち音楽制作現場で歌手や演奏家が出し耳で聴いているそのサウンドをまったく損なうことなくそのまま自室のオーディオ機器で再生することができるようになったわけです、Apple Musicであれば。これは朗報ですよねえ。はっきりいってSpotify派のぼくもApple Musicメインに乗り換えようか?とちょっぴり考えないでもないほどです。

もちろんロスレス配信もですね、再生環境によっては実現できないというか若干の音質ロスが発生するばあいもあります。たとえば現状ぼくはBluetooth接続の機器でMacでもiPhoneでも音楽を聴いていますが、Bluetoothの規格上どうしても若干音質は犠牲になってしまいます。

有線でつなぐか、無線だったなら(ずっとぼくも使ってきた)AirPlayで接続すればApple Musicのロスレス音質をそのまま楽しめるということで、また引っ越してその環境が復活する日を待ち望みたいと思います。

それからもう一点、注意しておかないといけないかなと思うのは、空間オーディオとロスレス配信は同時実現はできないという点です。上で書きましたように空間オーディオはAirPods ProかAirPods Maxじゃないと体験できませんが、これらはBluetooth技術でディヴァイスにつながるものなので、ロスレス転送はできません。

この事実はちょっとあれですよねえ、空間オーディオの体験をロスレスの高音質で実現できたら最高なんじゃないかと思うので、今後のAppleのアップデートを待ちたいと思います。

(written 2021.6.11)

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