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もうメール・データの移行なんてやらなくていい 〜 IMAPメールのすすめ

(6 min read)

パソコン(やスマホ)を買い替えたときの最大の課題は、それまで使っていたデータの移行かもしれませんよね。こないだもWindows OSの走るPCを新しくしたというネット友人がいて、メール・データの移行に手間取って、結局あきらめたというようなツイートがありました。

それで、似たように困難な状況をいまでも経験し続けているかたはまだまだ多いのかもしれないと思いいたるようになり、だからちょっとでもトラブルを防ぐ一助になればと、いまこの文章を書いています。

実を言いますと、2011年に新型MacBook Proを買って以来、2014年、17年、21年と、合計四回のパソコン買い替えで、ぼくは一度もメール・データを移行したことがありません。

なぜならば、CDからインポートした音楽ファイルやダウンロードした動画などならともかく、メール・データなんて、もはや「移行」するものじゃないよなあというのがぼくの実感なんです。10年ほど前からクラウド型メールが主流になってきているからです。

パソコンやスマホを使うなら、TwitterかFacebookかInstagramのどれかは、いまやみなさんおやりでしょう。アカウント持っていますよね。それらはてもとのローカル・ストレージにテキストも写真も動画もありません。データはすべてサーバーにあって、端末を持つユーザーはそれにアクセスして見ているだけ。

だから、パソコンやスマホを買い替えても、それらソーシャル・メディアはユーザー名とパスワードを入れログインするだけで、ただそれだけで、それまでとまったく同じように使えますよね。「移行」なんて、だれも考えたことすらないでしょう。

いまやメールも同じなんです。ローカル・ストレージにダウンロードして読むPOP型は少数になってきていて(ほとんど使われてもいない?)、サーバーのクラウドにメール・データがあって、てもとの端末ではそれにアクセスしてメール・クライアントで表示するだけっていう、IMAPメールが主流です。

メール受信方式におけるPOPとIMAPの違いについては、検索すればくわしく解説してある記事がたくさん見つかりますから、ご存知ないかたはぜひご参照くださいね。たとえばこことか↓

マイクロソフト・サポートが解説している記事も見つかりました↓

IMAPであれば、メール・データはクラウドにあってそれにアクセスするだけなので、パソコンなりを新しく買い替えても、IDとパスワードを入力しログインさえすれば、たったそれだけでOK、それまでのメールがぜんぶ出ます。データ移行なんてやらなくていいのです。

さらに、IMAPならクラウドのアカウントを持つだけなので、複数の端末からそれぞれ同じアカウントで同じサーバーにアクセスできて、どの端末でも同じメール・データを表示できます。いまやパソコン、タブレット、スマホなど、多数台持ちがあたりまえになってきていますから、どの端末でも同じメール一覧を確認できるというのは重宝しますよね。

IMAPなら、自宅ではパソコンで、出かけた先ではスマホで、新規メールの受信も、同じメールのちょこっと続きを読み、気になったメールへの返信も、ぜんぶいつでもどこででもできるんです。しかもどこでどれで受信しても全端末でデータが同期します。な〜んて便利なんでしょう。

ぼくはたまたまずっと熱心なAppleユーザーですので、Appleの提供するiCloudという無料のクラウド・サービスを使っていますが、これはむかしぼくが使いはじめたころ、まだ有料でした。当時「.Mac」(ドット・マック)という名前でしたが、2008年にMobileMeとなり、だれでも使える無料のiCloudになったのが2011年。

てもとのメール・クライアントで確認すると、@mac.comのアカウントに来たメールは2008年のものが最古なので、たぶんそのちょっと前あたりからこのサービスを使いはじめたんだと思います。サービスがMobileMe、iCloudと名称変更しても、同じメール・アドレスで使い続けることができています。

iCloudはAppleユーザー向けに限定されたサービスではありません。WindowsユーザーでもAndroid端末でも問題なく使えます。その他クラウド・アクセス型のIMAPメール・サービスを提供しているところは各種あるので(マイクロソフトのものもある)、みなさんそれぞれお使いの機種やOSなど環境に応じてお試しくださいね。

また、Gmail(はぼくも使っている)などのWebメール・サービスをメインに使うという選択肢もあります。WebメールとIMAPは違うんですが、しかしこれもサーバー・アクセス型ですので、パソコン買い替えの際にメール・データ移行の必要がなく、やはり複数端末で同じメール一覧が見られます。

(written 2021.10.23)

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