和久井沙良のデビュー・アルバムがヤバいほど天才
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和久井沙良 / Time Won’t Stop
bunboniさんに教わりました。
ジャズ・ピアニスト和久井沙良のデビュー・アルバム『Time Won’t Stop』(2022)がヤバい。カッチョエエ〜〜っ!ぼくが特にシビレているのは1曲目の「tietie」。ドラムスとギターが快感で、こればっかりなんども聴いちゃうな。さまざまなプレイリストに入れたし。
&ディープなグルーヴを聴かせる2曲目「Calming Influence」もゾックゾクするし、これらオープニングだけでこのアルバムは決まりですね。大西順子的にノリよくガンガン弾きまくるタイプのグルーヴィな音楽こそ沙良の本領だと思えます。このことは4、5曲目の小休止を経て後半部を聴いてもわかること。6、8曲目の勢いなんかすごい。
アルバムにほぼ全面参加のドラマー上原俊亮が細かなビートを聴かせるのもグッドで、完璧に新世代ジャズ・ドラミングのスタイルですよね。特にベース・ドラムの踏みかたがぼくは好き。1曲目の熱くカッコいいロック・ギターはイシイトモキ。
沙良はピアノとシンセサイザーを弾くだけでなく、全曲のコンポジション、アレンジをやっていて、それがジャズやクラシックだけでなくネオ・ソウル、ヒップ・ホップをしっかり踏まえたものだとわかるのがいいですね。しかもごく自然なフィールで体内に沁み込んでいます。
ラップやヴォーカルの使いかたもうまいし、しかもこんな天才作曲家でありながら融通のきく職人芸的で腕前の確かな即興演奏者でもあるっていう。アルバムもバラエティに富んでいるし、音楽家としてスケールの大きさを感じます。
(written 2023.1.21)