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ロー・ファイでチルしよう 〜 ブルーワークス Vol.1
(3 min read)
Bluewerks Vol.1: Up Down Left Right
ロー・ファイ(Lo-Fi)という音楽があります。いままでに二回、このブログでもとりあげてきましたけど、そこではロー・ファイ・ヒップ・ホップという呼びかたをしていました。この名称が短縮されて、いまやロー・ファイと言うばあいも増えているようですね。流行しはじめてまだ三、四年の新潮流です。
ロー・ファイは、(ヒップ・ホップ系の)ダウンテンポなエレクトロニック・ビートとアンビエントふうのジャジーなサウンドを合体させた音楽。音質をやや粗めのロー・ファイな感じに処理していることとあわせ、チルな(リラックスできる、くつろげる、の意)フィーリングを出しているものです。
ロー・ファイはYouTubeやSpotifyなど配信サービスでもっぱら流通しているものなんで、いまだフィジカル商品にこだわる向きには永遠に届かない音楽。いろんなビートメイカーやサービスがロー・ファイ・ミュージックをつくって流していますよね。
そんななか、昨日2/27に公開されたばかりの『ブルーワークス Vol.1:アップ・ダウン・レフト・ライト』(2021)はちょっと画期的で、いまだ一般的な知名度は低いロー・ファイ・シーンの起爆剤となりうるかもしれません。なぜならこれはジャズ名門レーベルのブルー・ノートがリリースしたものだからです。
正確にはブルー・ノートと、エレクトロニクス・ミュージックのアストラルワークス(Astralwerks)とのコラボEPで、両者のSNSで2月26日に同時に、明日リリースするぞと告知されていました。ぼくはブルー・ノートの公式InstagramとTwitterを欠かさずフォローしているんで、知ったわけです。
『ブルーワークス Vol.1』、音楽的にはいままでにいくつもあるロー・ファイとそう変わるところはなく、カフェで、自室で、のんびりくつろぎながら、あるいは勉強とかしながらのBGMとして、ちょうどいい感じのチルな雰囲気をつくってくれるものです。音量はやや控えめに。正対してじっくり聴き込むようなものじゃなく、あくまで背景におくものです。
と言いましても今回のこのEPはたったの8トラック、17分しかないんで、ゆったり気分をリラックスさせるための時間としては短すぎるんですけど、あくまでこれはとっかかりの入り口、試験薬でしょう。シリーズものになるとのことなので、Vol.1をまずリリースして、その評判をみて今後の展開を決めるということじゃないでしょうか。
いずれにせよ、ジャズ関連では知らぬ者のない名門ブルー・ノートが、ロー・ファイのコンピレイションをリリースした、この新領域に踏み込んだという意義はたいへんに大きくて、今後の『ブルーワークス』続編におおいに期待したいところです。
(written 2021.2.28)