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軽いBGMとして聴きたいレトロ・ポップス 〜 サラ・カン

(2 min read)

Sarah Kang / how i remember

こないだなにかのプレイリストを流していて耳を惹いた韓国人シンガー、サラ・カン。そのとき聴こえてきたのは「about time」で、これがレトロ・ジャジーで完璧な好みだけど、と思いたぐって、最新作『how i remember』(2022)にたどりつきました。

アルバム全体では、レトロといってもオーガニックではなく打ち込みとデジタル・シンセを多用していますけど、ソングライティングがむかしふうにジャジーだしスウィートでメロウなヴォーカルもそう。ビートやサウンド・メイク(とアルバム・ジャケット)はロー・ファイっぽいですね。

そもそもロー・ファイってレトロ指向な音楽なわけで、 サラの本作も随所でアナログ・レコードを再生するときのパチパチっていう針音ノイズがわざとミックスされていたりするし、そういう装いで聴かせる音楽だっていうのがよくわかり、ぼくの好みにピッタリ合うんですよね。

「about time」は完璧な1930年代のスウィング・ジャズ・ポップスを意識した2/4拍子ですし、そのほかの曲もどこまでもレトロ。バック・イン・タイムっていうか、こういうのがいま流行だからそれに乗ってちょっとやってみただけの音楽家かもですけどね。『how i remember』っていうアルバム題もほんのりレトロ趣味に言及しています。

曲はサラも参加している共作が多く、トラックリストのところに載っているコラボ・ネームを見るとどうも日本人っぽいつづりのローマ字もあります。多くの曲がそうした共作でできあがっていますが、サラの名しか記載がないものはひとりでトラック・メイクもやっている模様。

音量をさほど上げず、室内でなにかをしながらの軽いBGMとして流していればいい雰囲気で、そういう接しかたをするもんですよ、ロー・ファイとかレトロ・ポップスって。

(written 2022.12.24)

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