ギター・ソロだけでできあがった曲を聴く 〜 ファンカデリック、ザッパ(など)
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6 imaginary guitar solos
敬遠されるようになったとうわさのギター・ソロですが、ぼくは大好きなので、もしかして近年の新曲から姿を消しているということならば、かつて発表された音楽を聴けばおっけ〜。
ものによっては歌がなく、ギター・ソロだけでできあがっている曲ってものすらあるんですからね。その代表格のうち大好きでたまらないもの二つを選んでおきました。ファンカデリックの「マゴット・ブレイン」(1971)とフランク・ザッパの「ウォーターメロン・イン・イースター・ヘイ」(79)。
ギター・ソロだけでできたこの二曲、ほんとうに好きなんだということはずっと前にも一度書いたことがありましたね。なんだか似ているんじゃないかという意味も込めて。
ヴォーカルが1コーラス歌い終わると間奏で楽器ソロが入ったりするというのは、ずいぶん前から、それこそ1920年代のアメリカ北部都会派女性ブルーズ・シンガーの伴奏をジャズ・ミュージシャンが務めていたころからの慣習で、この手の音楽ではあたりまえな耳慣れたもの。
でもそれを強く濃い感じのエレキ・ギターでやるというのがこれほど一般化したのは、1960年代以後のロック・ミュージックが多大な影響力をおよぼしたからに違いありません。ロックにとても強い影響をおよぼしたリズム&ブルーズなんかではサックスのことが多かったと思います(ジャズ由来でしょう)。
ロックだって初期のころはさほどでもなかったんですが、ビートルズ以後かな、このバンドもデビュー後しばらくのあいだはソロにそんな力入れてなくて、解散までトータルでみてもギター・ソロがいい感じの曲って数えるほどしかないんですが、60年代中期以後のブルーズ・ロックとサイケデリック路線勃興後でしょうね、激しい感じの音色にした長めのギター・ソロが重用されるようになったのは。
サイケとブルーズ・ロックといえば、ファンカデリック(Pファンク)とザッパにとってはどっちも大きな構成要素です。なんたってPファンクのPはサイケデリックのPですから。ザッパにはジャズや現代音楽も大きく流入していますので、そっちからのものもあるでしょうけど。
ひたすらの慟哭のような「マゴット・ブレイン」に比べたら、「ウォーターメロン・イン・イースター・ヘイ」のほうは気高いプライドに満ちていて、キリッとし、さわやかさすらただよっていますよね。ロック・オペラとしてのアルバム・ストーリーを踏まえたら悲劇的な曲なんですけれども、それもふくめこれは音楽への愛というものが持つ気高さなんだとぼくは思っています。
(written 2022.7.2)
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