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余裕のある歌いまわし 〜 ウィリー・クレイトン

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Willie Clayton / Caesar Soul & Blues

after youで知りました。

『Caesar Soul & Blues』(2022)ってとんでもないタイトルですよねえ、サザン・ソウルのベテラン歌手、ウィリー・クレイトン。ソウルとブルーズの帝王ってことですもん、それも自称。自信の表れか、周囲の現行ソウル・シーンに歌える歌手が少なくなってきたなか一人でがんばっているという自覚なのか。

このタイトルでねじふせるだけのパワーと説得力がたしかにこのアルバムにはあります。生演奏サウンドを中心としたプロダクションも充実しているし(ビートがデジタルっぽいけど)、ウィリーのヴォーカルもベテランらしい堂々とした迫力に満ちています。

ダンサブルなビート・ナンバー二曲の快感で幕開けから圧倒。そのまま三曲目のメロウ・バラードをスウィートに決めるのもすばらしい。声も大のぼく好みですし、歌いまわしに余裕があるので安心して聴けます。

バラードといえば本作ではステッパーよりいっそう充実している印象が個人的にはあって、たとえば終盤の6、7曲目あたりもずいぶんいいです。やっぱりこうしたタイプの曲で、歌えるか歌えないかの差が決定的に出るでしょう。特に三連ビートの7「Don’t Make Me Beg」にぼくはグッと来ました。

(written 2023.1.12)

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