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しんどいとき助けになる音楽(14)〜 カエターノ・ヴェローゾ
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Caetano Veloso / Fina Estampa
こないだ思い出すきっかけがあったカエターノ・ヴェローゾ(ブラジル)の『粋な男』(1994)。これホントめっちゃ好きなんです。やっぱり肌あたりのやわらかいフィーリン集っていうのがですね、いまのしんどいぼくにはピッタリ。
フィーリンっていうかラテン歌曲集だから、ブラジル人のカエターノですけど本作は全編スペイン語。当時の相棒ジャキス・モレレンバウムがチェロとオーケストラ・アレンジを担当し、きれいなきれいな世界を構築しています。それだけでも聴き惚れるくらいの。
その上で歌うっていうよりなめらかにすべっていく感じのカエターノのヴォーカルも実に気持ちよくソフト。選曲もいいしアレンジいい歌もいいっていう三点揃いで、これぞカエターノの最高傑作であろうとぼくなんかは前から考えています。
これの次作にあたるライヴ・アルバム『Fina Estampa Ao Vivo』(1995)は、そこまでのキャリア全体をふりかえる総決算的な作品。スケールが大きいし充実していて、カルメン・ミランダとかブラジル語の歌もあり。汎ラテン・アメリカ的視点があって楽しいものの、ややフォーカスが甘いかなという気がちょっぴりしないでもないです。
(written 2023.8.26)