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おっちゃんの使っている「国産」パソコンも外国製なんやで
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同じわさみん(岩佐美咲)ファンとしてときどきネットでやりとりしたり現場で会って仲良くしている岡山のおっちゃんがいるんですけど、59歳のぼくよりだいぶ歳上みたいで、見た目70越え?
そのおっちゃんの言うには「パソコンでもスマホでもなんでも俺は国産しか使わない、外国製なんて考えられへん」っていうことなんですね。iPhoneがどうたらってわさみんがいつも言うからだと思います。この手のことは2014年に亡くなったぼくの父も言っていました、「なんでも国産がいちばんだ」と。
たしかに企画発案、部品から組み立て、営業、販売までトータル日本国内で完結しているという時代があったかもしれません(昭和?)。しかしいまではどんな商品でも、特に家電とかパソコン、スマホなどのデジタル・ウェアなら、国産/外国産の別を言う意味はなくなりました。
たとえば上で掲げた写真、いまぼくが使っているパソコンMacBook Airの底面にある刻印ですが、ごらんのとおりデザインはカリフォルニアのApple社だけど組み立ては中国で行われています。Apple製品はMacもiPhoneもiPadもいまやすべて中国製。でもAppleはアメリカの会社です。
デザインがアメリカで、アセンブリーが中国だけど、なかに使われている部品は台湾製だったり日本製だったり韓国製だったりシンガポール製だったり。つまりミックスで、要するに多国籍なんですよ。一国純粋なんて、どんな商品でも21世紀の現在ではありえません。
部品から組み立てからなにからなにまで日本でやっているというパソコンやスマホなんて、日本のメーカーでも、もうないんじゃないですか。かりにあったとしてもOSはマイクロソフト(アメリカ)のWindowsや、Androidが走るんでしょ。国産OSなんてパーソナル・ユースでは使われませんからね。
会社や工場で働いているひとたちもいろんな国から来ているというのが現状ですしね。ぼくは着るものをよくUNIQLOショップで買いますが、UNIQLOは日本の会社であるものの、タグを見ると「ベトナム製」になっていることが多いです。原材料は中国の新疆綿を使っていたりしますし。
以前もヴァイブラフォン奏者チェンチェン・ルー関連で言いましたが、レコードやCDといった音楽物体商品も「どこ国盤」ということにこだわるのが無意味になってきています。歌手や演奏家が国境をまたぐようになっているだけでなく、盤の原材料はここ、プレスはまた別な国、それを輸入してぜんぜん違う国で売るとかだから、音盤の国籍にこだわる意味は消えました。
アメリカのメイジャー・リーグで活躍する野球選手の大谷翔平は日本生まれの日本人で東アジア系黄色人種だけど、仕事はだからアメリカでしていて、アメリカに納税しているはず。テニス選手の大坂なおみは日本生まれの日本とハイチの混血で、肌の色は褐色のバイリンガル。大坂もまたアメリカを拠点にしていて、ある時期に国籍は日本を選択しました。
パソコンやスマホで言えば、いちおうAppleはアメリカの会社、東芝とかNECとか富士通とかシャープとかは日本の会社だというんで「アメリカ製」「日本製」と言ってはいますけど、上で書いたように実態は多国籍なんだから国別で分けるのはあんまり意味がないなと思います。
「俺は国産しか使わない」が信条の岡山のおっちゃんの使っているパソコンだって、どこのメーカーのものか知らないけど、中身の部品製造や組み立てはですね、おそらく、どこか外国でやっている可能性が高いと思いますよ。
演歌しか聴かない、演歌ひとすじらしいけど、そのおっちゃんは。演歌も純日本産音楽なんかじゃなくって、西洋クラシック音楽や米英ロックやラテン・ミュージックから大量に流入しているんですから。メイド・イン・ジャパンとか純国産、純血主義へのこだわりって、いったいなんなんでしょうね。
(written 2021.11.29)