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エチオピア・ポップス新世代 〜 ニーナ・ギルマ
(2 min read)
Nina Girma / Majete
エチオピアの(ほぼ)新人、 ニーナ・ギルマのデビュー・アルバム『Majete』(2022)は、ローカルなエチオ・ポップらしさを残しながらも、基本的にはインターナショナルなコンテンポラリーR&Bになっていると言っていいでしょうね。
いはゆるアフロビーツ(フェラ・クティらのアフロビートとは別なもの)がベースにあるんですが、それにアメリカ産というか全世界的な流れになったネオ・ソウル以後のモダンなブラック・ミュージックやヒップ・ホップを溶け込ませたトラック・メイク。メロディ・ラインや使用楽器にエチオピア・カラーもそこそこあるっていうのがアイデンティティを主張していますね。
ヴォーカル・トーンのデジタル加工がここでも多用されていて、どうも個人的にはナマ声が好きなもんですからそこだけはイマイチなんですけども、とてもいいなと感じるのはそれでもキュートでチャーミングな声質と歌いまわし。ラップ以後的歌もの特性みたいな部分もあります。
そしてやはり本作のプロデューサー、カムズ・カッサの手がけたサウンドがなんといってもサイコーです。ダンスホール・レゲエなどを基調としたアフロビーツでありながら、伝統性と現代性をみごとに融合させた手腕は特筆すべきもの。カムズあってこそ、ニーナ初のフル・アルバムが成功作になったといえます。
(written 2022.5.1)