ロックでサンタナ「ブラック・マジック・ウーマン」以上の悦楽なし
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Santana / Abraxas
こないだなにかのきっかけでふと思い出すことがあって(@スターバックスコーヒー松山市駅前店)聴きなおしたサンタナのアルバム『Abraxas』(1970)、ってかそのとき聴いたのは2曲目「ブラック・マジック・ウーマン」だけだったんですけど、それが最高じゃないですか。あのときスタバでコールド・ブリュー・コーヒー飲みながら聴き、あらためて感銘を受けました。
いまとなってはロック・ミュージック・ソングのなかでいちばん好きなのがサンタナ版「ブラック・マジック・ウーマン」かもしれません。ピーター・グリーンが書きフリートウッド・マックでやったのがオリジナルではありますが(1969)、どう聴いてもサンタナのレンディションがはるかに魅力的。
マック・オリジナルからしてラテン・ブルーズだったので好きにならないわけがない曲ではありましたが、UKブルーズ・ギターリストのグリーンとしてはラテン・テイストをさほどに強調はしていなかったと思います。サンタナのはそこを拡大したのがグッド。
そもそも序章になっている1曲目「シンギング・ウィンズ、クライング・ビースツ」が終わり本編幕開けたる2「ブラック・マジック・ウーマン」がはじまると、その瞬間のスリルと色気にゾクゾクしますよね。オルガンとパーカッションが雰囲気をつくるなかカルロス・サンタナのギター・イントロが流入した刹那、はやイキそう。
一瞬のブレイクがあってギター・ヴォリュームをくいっと持ち上げイントロが本格的に弾かれるあいだは絶頂が続いている感じで、むかしはそこからグレッグ・ローリーのヴォーカルが入ってくるとちょっとガッカリな印象を持っていました。カルロスのセンシュアルなギターをもっと聴きたいぞと。エクスタシーがずっと続けばいいのにと。
現在ではヴォーカルも楽しいしラテンなエロスに満ちているなと感じるようになりました。いったん終わってやはりカルロスのギター・ソロ再開。それを聴いているあいだは艶っぽい気分で楽しくってしかたがないですよ。
その後やはり歌、次いでカルロスはイントロと同じフレーズを弾いて幕閉じとし、メドレーになっているインスト・ナンバー「ジプシー・クイーン」(ガボール・ザボ)へとなだれ込みます。
(written 2023.7.12)
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