トランシーなエレクトロ・パーカッション・ミュージック 〜 ニイロキシカ
(3 min read)
Nihiloxica / Kaloli
ニイロキシカと読むみたいです、Nihiloxica。ウガンダのグループということで、しかも今回の新作『Kaloli』(2020)は、マーク・ホランダーが設立したレコード・レーベル、クラムド・ディスクスからのリリース。クラムドはコノノNo.1を手がけたところですね。新作というか、これがフル・アルバムとしてはデビューなのかもしれないんですが、ぼくはまだなにも知りません。
ただただSpotifyでこれを発見し、ジャケットに惹かれ、聴いてみて一発KOされちゃったんです。なんといってもこの『カロリ』は分厚く野太すぎるパーカッション・ミュージックですね。ビートこそがすべて。そこにデジタルなエレクトロニクスを用いたテクノ・サウンドも混ぜ込まれていますが、それはあくまで遠景。
このリズムはなんでもウガンダの伝統的なものらしく、ウガンダ中南部の「ブガンダン」と呼ばれるものみたい。それがパーカッション・ミュージックなわけですが、しかしこのニイロキシカの新作を聴いて、ウガンダ伝統のリズムがどこまで元来の姿かたちを保っているかとかどこまでモダナイズされているかみたいなことは、いまのぼくにはまったくわかりません。
ただただ、聴けばひたすら快感なだけで、それでずっとくりかえしアルバムをリピートしているだけなんですね。いやあ、マジ気持ちええ!基本的にはこのアルバムで聴けるこのバンド(ユニット?)、ドラマーふくむ複数の打楽器奏者+デジタル・シンセサイザー担当だ思うんですが、もちろんパーカッショニストこそがキモで、それが<すべて>と言っても過言じゃないでしょう。もちろん打楽器サウンドにもある程度のデジタル加工が施されてはいるみたいですけど。
ゴシックなパーカッション・サウンドと、遠景でエフェクト的にサウンドをつけくわえるエレクトロニクスと、両者あいまってアルバム全体のサウンドはダークで不気味で不穏。しかしあまりにも強烈にダンサブルで、トータル51分間をとおし似たようなビート感がずっと続くのに、飽きず、快感が持続します。
2020年の現代のクラブ・シーンなんかでも間違いなく歓迎されるであろうコンテンポラリーなビート ・ミュージックにも聴こえ、いやあ、こりゃあ傑作じゃないですかね。
(written 2020.9.16)
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