しんどいときに聴く音楽(65)〜 ドクター・ジョン『デューク・エレガント』
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Dr. John / Duke Elegant
ドクター・ジョン『デューク・エレガント』(1999)のことは、いままでに二回だったかな、書いてきましたが、それくらいほんとうに大好きで、個人的にはドクター・ジョンの最高傑作だったんじゃないかと思っているほどです。
もちろんデューク・エリントン曲集で、そのレパートリーをかなり大胆にリ・イマジンドした音楽。すべて完璧なファンク・チューンに変貌しているのがキモで、楽しくて痛快ですよ。
聴いていて心地いいし、あの曲この曲がこんなふうになっちゃうんだという驚きで、リリース当時はかなり新鮮に聴こえ、ビックリするやらうれしいやらでくりかえしCDで聴いていました。周囲でも大人気でしたよ。
いまやサブスク時代となり、デューク・オリジナルとの比較も実にカンタンで手間なし。いっそうドクター・ジョンの解釈展開力をまざまざと思い知る結果となっているように思います。
ドクター・ジョンのヴォーカル&ピアノor オルガン+ギター+ベース+ドラムスという編成を軸に、パーカッションやサックスが参加する曲もあるといった具合。バンド(ロウワー9-11)の演奏力の高さが際立っているのも聴きどころです。
歌もののあいまにおりまぜられる(や終盤は連続してくる)ファンク・インストルメンタルも立派なできばえで、楽器即興演奏がお好きなジャズ・ファンにも楽しんでいただける内容じゃないかなと思います。
デュークがこれを聴いたら、これこそ21世紀型の自分だと、こういう音楽をやりたかったなと思うに違いありません。まさにだれもなしえなかった現代型デューク・エリントン曲集といえます。
(written 2023.12.26)