公営住宅へのアクセスをもっと容易にしてほしい
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いま住んでいるのは愛媛県営の森松団地なんですが、お風呂、トイレ、DK、6畳+4.5畳+4.5畳で毎月の家賃はたったの11,700円くらい。非課税世帯ならさらに減額され7,800円です。1972年竣工のかなり古い住宅で、もちろん現在の耐震基準は満たさず、あちこちボロボロになっていますけど、それでもこの値段ならね。
こうした公営住宅はもちろん低収入・無収入で住宅問題に苦しむひとたちを対象としていて、なので入居申請にあたっては厳しい収入状況審査(年収が一定額を超えていないこと)がもちろんあります。そのほか条件がなかなかキツくて、たとえば単身者なら60歳を超えているか障害者であるということが愛媛では必須。
ぼくは申請時59歳でしたのでその点では不可だったんですが、精神障害者手帳2級を持っていますので。もとより収入は乏しいし、ってなわけでわりかしすんなり通りましたが、申請のプロセスはなかなかめんどくさくハードルの高いものでした。公営だからやむをえないとはいえ。
そもそもたとえば森松団地が地元だし格安だから入居したいなと思っても、まず最初どこに連絡をつけたらいいかもわかりません。どこにも書いていないんですから。ぼくはネットで検索しまくって、入居申請の手続き管理をやっている会社とその連絡先を見つけることができましたが、これ、インターネットをやらない人間はどうすんの?
1972年完成当時はまっさらな文化住宅だったでしょうから入居希望者殺到だったかもですが、いまやねえ。ネットが普及してからまだ20年程度しか経っていませんが、それ以前はどうやっていたんでしょうか。いまの時代に入居を希望するひとは、どこを最初のとっかかりとするのか。
管理会社を見つけて連絡してのちも、実にさまざまな書類上の手続きがあって、くりかえしますがそりゃ公営ですからね堅苦しくめんどくさいのはやむをえないとは思いますが、それにしても生活困難者が入居対象となる住宅なのに、ちょっとあんまりじゃないだろうかと感じる場面もありました。
建物や部屋の構造などに不満は数々あれど、それは言ってもしかたのないことです。でも申請開始 → 手続きの積み重ね → 認可 → 入居開始となるまでの約四ヶ月間(そう、四ヶ月もかかったんですよ!)に困難なプロセスが多すぎだと感じました。
しかも!入居開始までにお金がけっこうかかっちゃうんですよね。貧乏人しか住めない公営住宅なのに!たとえば役所でこれこれの書類をもらってこいっていうそのためにお金が必要ですし(しかもなんども)、入居時は部屋の天井の照明も窓のカーテンレールもバスタブもなにかもいっさい付いていないスッピン状態で、イチから自分のお金でやらなくちゃなのかと思うとちょっとあれでしたよ。
インターネットをやっておらず書類上の諸手続きも不得手なお年寄りも多く住んでいますが、ってか入居者の九割は年金受給者世代ですが、どういうことなんでしょうかねえ。
入居して一年も経てば環境にも慣れて、住めば都とのことばどおり快適で楽しくて、それにそもそもぼくのいる棟は団地の大きな公園にじかに面しているのでおいしい空気や緑や花や小鳥や蝶などに囲まれた生活。まるで極楽のよう。ここに住んでよかったと心から思う次第であります。ボロいから安いし。
入居申請の手続きはあまりにも煩雑で時間がかかりましたたけどね。まず最初のアクセスだけでも、もうちょっと簡素にしたほうがいいと思います。
(written 2023.5.10)