ライト・タッチな片想い 〜 レイヴェイ
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Laufey / From the Start
愛するレイヴェイの新曲「From the Start」(2023)がリリースされたということで、いくらファンだからって一曲出るたびに話題にしていたらキリないじゃ〜んって感じなんですけども、こりゃまたとってもいい歌だし、周辺にも話題続出なんで、ちょっと書いておきます。
周辺の話題とは、まずなんたって六月にアジア〜オーストラリア・ツアーをやるってこと。そのなかには東京公演もあるんですね。たったワン・ナイトのソロ弾き語りですけど、ブルーノート東京のチケットがはやくにソールド・アウトしちゃって、ぼくなんか指をくわえてくやしがっているばかり。まぁ東京は遠いし。
いつのまに日本でもそんな人気歌手になったんだっけレイヴェイって。二年前最初にブログでとりあげたころは知るひとぞ知るという存在でしかなかったけど、うれしい。基本サブスク&ダウンロードのみで、おまけ的にヴァイナルを出すこともたまにあるかなというスタイルの存在がここまでになっているというのは、やっぱり時代が変わりました。
新曲「フロム・ザ・スタート」は、そんな来日公演6.5に向けてのおみやげっていうか、これ聴いて待っててね!って感じのシングルでもあるでしょうね、ぼくらにとっては。いままでレイヴェイにいくつもあったライト・タッチのボッサ・ポップスで、キュートで洗練された黄金律メロディ。お得意のやつ。
そんな古風な、つまりレトロなサウンドに乗せて切ない片想いを楽しそうにつづっていて、親友に恋をしてしまっているけれど、その親友はほかのだれかに恋をしているというストーリー。その相手っていうのが、いつもだけどレイヴェイのばあい、像を結びませんよね。
そもそも “you” の性別すらもはっきりしないし、恋の姿が漠然としていて、深刻で重たい感じだってちっともなし。サウンド同様に歌詞の世界観もライトっていうか、そんなところ、いかにもいまどきZ世代っぽいっていうか。
録音されリリースもされた昨秋のアイスランド交響楽団との共演コンサート at レイキャヴィクに続き、今年九月にはワシントンD.C.でロス・アンジェルス交響楽団と共演するという告知もありました(すでに売り切れ)。スタジオ・レコーディングによる新作も準備中と受けとめられなくもないアナウンスもあって、いいね調子いいレイヴェイ。
エヴァーグリーンでありながら現代的でポップな遊び心もある初夏っぽい「フロム・ザ・スタート」、東京で歌ってくれるかもしれません。ぼくは行けないんだけど。
(written 2023.5.26)