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腹を割って深く話せる仲間が欲しい【読書会 for LGBT(1/2)】
このnoteでは、自分が読書会を設立するに至った経緯について書きたいと思います(^○^)
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私は子供の頃から本を読むことが好きで、毎日のように本を読んでいるような子供でした。別に本だけが友だちというタイプではなかったと思います。スポーツもゲームも好きでしたし、勉強も好きでした。
ただ、実家には沢山本があり家族もよく本を読んでいたし、図書館が近かったこともあり、僕も毎晩寝る前には必ず本を読んでいました。学校の図書室も大好きな子供でした。
本は一人で読むことも楽しかったのですが、いつか自分の読み終わった本について、同じく読んだ人と話せたら面白いのになと思っていました。テレビだって、映画だって見終わった感想を人と話すことは楽しいものです。
しかし、子供のころ周りに本を好きな友だちは一人もおらず、本の話をするという夢は叶うことがありませんでした。
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そんな読書生活に転機があったのは就職2年目のこと。
当時の僕は就職して定期的に給料が入るようになったということで、毎月大量の本を買うようになっていました。毎月2万円ほどは本を買っていたと思います。
当時は社宅のような場所に住んでいたのですが、僕の部屋はあっという間に本だらけになりました。ベッドの頭も下も本棚も全部が本で埋まっていたのです。
たまに部屋を訪れる同期からは「こんなに本読んで何目指してるの?」と言われていましたが、僕的にはただ読みたいから本を読んでいるだけなのです。「なんとなく暇だから読んでいるだけだよ」とお茶を濁していました。
当時の僕は「私は読書が好き」ということを表立っていうと、得するよりも面倒なことが多いということを学習していたのです。
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そんな本だらけの部屋に訪れた人たちの中に2人だけ他とは違う反応をしてくれる人がいました。仮にAとNとしておきます。
Aは元ボクサーのヒョロリとした男でした。ボクサーが実は読書家だというのは意外でした(同じように思われていたと思います)が、Aは僕の本棚を楽しそうに眺めながら「ひさこんさんが絶対気に入る本を持っている」といって自分の部屋に戻って行きました。
しばらくして戻ってきたAの手には小林泰三(著)の『玩具修理者』が握られていました。今でこそ小林泰三作品をほとんど読んでいる僕ですが、当時は小林 泰三のことを全く知りませんでした(たいぞうと呼んでいました)。Aは「本棚の傾向から、この本は絶対あなたに合うと思う」と言って貸してくれたのでした。
その日の晩、初めて僕は身近な人のオススメ本というものを渡され、それを読み始めたのでした。小林泰三という作家はホラーとSFが混じったような作風の作家で、とても僕の感性に合っているのでした。
玩具修理者はホラーの短編集ですが、その中でも僕は「酔歩する男」という作品が気に入りました。次の日にそのことをAに話すと「その話が気にいると思っていた」ととても嬉しそうにしていました。
つづく
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