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テーブルを拭いて

昨日の予報で今日は晴れになると聞いた気がするのだが、仕事開始の1時間前になっても日差しがでてくることはなかった。しょうがないので食洗機に昨夜使った食器を突っ込み、その流れで散歩に出ることにする。

外に出れば少しは陽の光を浴びれるかと思っていたが、そんなことはなく、傘をさすほどではないが肌に水気を感じる。しばらく雨が続いていたので、桜もかなり散ってしまっているにちがいない。歩道でたばこを吸っている人の煙が気になる。どこかの子供がつけていたであろう髪留めが道に落ちているのが目に入る。

雨の日はテンションがあがらない。そんなふうに考えていると、目に入るものまでネガティブになってくるようだ。

一つだけ楽しみにしていることがある。それは、いつも歩いているコースに沿って流れている川の水量が増えているかしらということ。連日雨だったのだから、それくらいは変化を演出してほしいものだ。

川沿いまで来て、柵の奥から川を覗き込んでみると、水量は確かに増えていた。いつも水量をそこまで気にしているわけではないが、流れる水の音がいつもより大きい。今度から水の量にも注目してみよう。明日からの楽しみがひとつ増えた、よしよし。

しばらく川の音を聞いていたせいか、今日の散歩中はやけに耳からの情報が多くなった。ビル工事のガタガタする音、車の走行音。自分の足音などなど。本日は音をただ聞くだけで、あまり思考を巡らすことはできない散歩だった。そんな散歩もいいだろう。

散歩の後半で少し日差しが出てきて、ちょうど前から歩いてきたおじさんのおでこがきらりと光った。日差しはやはり心を明るくするようだ。ひざしにつられてかウグイスが「ほーほけきょ」と鳴き出した。ウグイスは鳴き始めは声が下手くそだと聞くが、このウグイスはなかなか上手に3回ほど鳴いた。きっと僕の散歩なんかよりずっと継続を続けている先輩なんだろう。

散歩終わりにコンビニに寄って、ほうじ茶ラテを購入する。家帰って、テーブルを拭いて、コップに入れたほうじ茶ラテを飲みながら日記を書く。日差しのない平日。こんな日には自分で楽しみを作り出すしかない。ほうじ茶ラテは少し甘過ぎた。

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