特別な夏
ああ、浮き足立つ夏はどこへいってしまったのだろう。
行きたいところがいっぱいあって、でも全部は行かれなくて悶々とする夏。
せっかく誘われても帰省と被ってごめんなさいする夏。
今年の盆休みは、ヌルっと始まっていつのまにか終わるんだろう。
思えばゴールデンウィークもそうだった。9連休だったのに、なにもしないまま終わった。
「特別な夏。」
でも青空と真夏の暑さとセミの鳴き声はいつも通りだ。
当たり前なんて、明日には当たり前じゃないかもしれないんだよなあ。そんなことも私たちは忘れてしまうんだなあ。
浮き足立ちたい。
ウォータースライダーを滑って、鼻から水が入ってむせかえるような夏に。
夏満喫するったって暑くてねーとか言って、クーラーの効いた部屋に籠る自分に腹が立つ夏に。
今が幻だったらいいのに。ながいながい夢。
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