【本】ザッポスの奇跡(改訂版)
きっかけ
・MBチャンネルでの紹介
目的
・短期間でAmazonに買収されるまでになったザッポスとはなんぞや
オススメ
・★★★★(星5つ中の4)
個人的ポイント
1.ザッポスは、「たまたま販売業を営んでいるにすぎない、サービスカンパニー」である
事業として、ネットで靴を売るという差別性はあるが、加えて経営者から従業員に至るまでが徹底して顧客ファーストを掲げ、時にはファナティカル(熱狂的)なサービスを実践することが他社との一番の差別性となっている。
2.すべては「コア・バリュー」から始まる
1.を実践するために、具体的な行動規範が10のコア・バリューとして言語化されている。ともすれば、形骸化しがちな部分を徹底して経営陣と従業員が徹底的に議論しながら中身のある形で形成され、浸透している。その結果、社風・企業文化が形成される。
3.スキルよりもカルチャー優先
会社の最大の資本が「社員」であることを前提とし、人材を採用する際には、労働力を確保することというよりもいかに会社の文化に沿う人を採用するかという視点を重視している。その結果、カルチャーが希薄化することなく企業としての規模拡大が可能となる。
感想
最近思うのは、会社の理念・信念っていう部分は、やはり重要なんだなということ。
スタッフレベルで働いているときは、技術的な差別性・新規性などでいかに市場を早く制して利益を上げるかみたいな考え方が私企業として当然のあり方だし(別に利益のために死ぬほど働けという意味ではなく、もちろんバランスはある。)、ひいてはそれが社員にとっても幸せでしょ、と思ってたけど、最近はそうでもない。そして、この本を読んで、さらにその考えが強くなった。
会社が事業を通じて何を成し遂げたいか、どういう想いがあるのかとかそういう存在目的も大事。その点が、明確に言語化され、カルチャーとして社員に浸透していると全ての行動の判断軸になるし、同じ想いの人が会社に集まってきて、結果エンゲージメントの高い集団ができあがるのかな。
そう考えると、個人の能力を重視した採用というよりもしカルチャーに合う人を採用する視点というのはとても合理的なやり方だし、採用する側・される側双方にとってメリットがある。
でも、以前読んだNetflixの人事の本では、「ハイパフォーマーを揃える」ことが何より重視されていたのは、比較対象として面白い。
一方で、個人の立場になると、自分が人生で一体何を成し遂げたいのか、仕事を通じて何を達成したいのか、ということを考えなければいけなくなる。なんとなく、自分が持っているスキル・経歴などで給与の高いところに入るというよりも、会社の理念・カルチャーへの共感が重要となってくる。(というかそれがないと採用されない。)
日本企業では、あんまりないかもしれないけど、自分が働きたいと思うのは、こういう共感を感じられる会社なんだろうなと思う。まぁでもその前に、いったい自分が何をしたいのか、というのを言語化できるようにしないとね・・・これがまたムズいんだわ。
以上