ジェジュン日活8年目の鍵を握るアーティストとしての本質的弱点
※無料公開部分を少し増やしました。
今回の記事は、日本活動8年目を迎えたジェジュンという歌手が今後、日本で生き残っていけるのか、また、活躍できるかどうかについて、評論家としての視点から、日本の音楽業界の現状なども踏まえた上でのシビアな見解について書いています。
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世界市場に進出するJ-POP
今、世界をK-POPが席巻しています。それはこの日本でも然り。
しかし、K-POPという音楽のジャンルが、このまま隆盛を保つことはないと感じています。なぜなら、K-POPは、1つの音楽ジャンルに過ぎず、次々に排出される多くのグループは、どれもK-POPという1つの型にハマった音楽スタイルの中での差異であり、ジャンル自体が複数のコンテンツの幅や広がりを持つものではないからです。
それに比べて、J-POPは、J-POPという括りの中に多くの様々な音楽スタイルを持つものです。即ち、ジャンルのコンテンツとしての幅や広がりを持つものであり、その多様性は、今、世界の注目を浴びる存在になりつつあります。
また、一昨年のYOASOBIの「アイドル」さらには昨年のCreepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」の世界的ヒットを受け、経済産業省が日本の音楽産業を海外に展開する為の組織作りを準備しています。即ち、J-POPというものを国の産業として捉え、海外市場に排出していこうとしているのです。
昨年からは、海外ツアーを活動に組み込むアーティストが増え、多くのアーティストが日本ツアーと同時にワールドツアーを発表するようになりました。今後は、日本語の歌が世界中に広がることが当たり前の時代になってくるかもしれないのです。
K-POPの世界台頭の旗頭であるBTSは、世界的ブレイクの後、英語での楽曲作りに注力した為、グループとしての活動休止前、RMが「自分達のアイデンティティーがわからなくなった」と話しました。
これは、K-POPでありながら英語での歌詞に合わせた楽曲作りを続けた結果、K-POPとしての原点を見失いそうになったという状況を現しています。
BTSが世界的にブレイクしたのは、ヒップホップという欧米の音楽を韓国語で歌ったことの珍しさからと言われています。
しかし、K-POPのブレイクとJ-POPのブレイクの大きな違いは、J-POPはあくまでも日本語の楽曲を排出しているという点です。
かつては、日本でも、「海外に進出するためには、英語で曲を作らなければいけない」と考えられた時期が長くありました。
日本語が母語のJ-POPは、それだけで世界に出ていくには、余りにも不利であると考えられていたのです。
ですが、コロナ禍の中、公開が出来なくなったアニメ映画を動画配信コンテンツで配信したことから、流れは大きく変わりました。
日本のアニメ映画が、広く、世界中で配信されるようになり、それに伴い、日本語というものも流出していったのです。
特に、アニメのテーマソングが日本語で歌われていることから、日本語の歌詞でアニソンを覚える人が増えていき、日本語というものに対する抵抗感が薄ったことで、日本語の歌が、そのまま世界に流出していくという現象になりました。
「アイドル」も「Bling-Bang-Bang-Born」も、あくまでも日本語の歌詞であり、そのスタイルを多くのアーティストは崩していません。
現在のJ-POPの最大の強みは、アニメコンテンツとの同時排出であり、このジャンルに於いては他国の追随を許さない状況になっています。
これらは、J-POPの持つ、非常に幅広く厚い層のアーティスト達の年齢層やコンテンツが世界の中で特異な存在であることの証明とも言われています。
10代から、70代までのアーティストが多種多様な音楽を展開していることが日本の業界の大きな特徴であり、世界に例を見ないコンテンツになっています。
この多種多様さは、日本の自由な表現が憲法で保障され、それらを受け入れる土壌から生まれてきたものと言えます。
この自由な発想が、多種多様な世界の人々の嗜好のどれかにマッチすることで、「アイドル」と「Bling-Bang-Bang-Born」というような、全く違う音楽でありながら、世界的ヒットに繋がっているということになったと考えるのです。
ジェジュンの持つ本質的弱点
このような状況の中、日本の業界で、韓国人であるジェジュンがどのように生き残っていけるのか、ということについて考えたとき、アーティストとしての彼の持つ本質的弱点から目を逸らすことは出来ません。
彼がもし、本気で日本の業界の中で、アーティストとしての存在感を示していきたいと考えるなら、その弱点を解消することは不可欠なのです。
しかし、今の彼のポジション。
即ち、韓国人でありながら、J-POPカバーが歌える、という評価に甘んじるのであれば、今までと同じような活動で構わないでしょう。
そうやって、年に数回、日本でライブを行い、古くからのファン層と共に日本での活動を楽しむ、というのなら、これから書くことは不要なこととなります。
ここから先は、私が評論家として感じる”ジェジュン”というアーティストの本質的弱点について記事にします。
J-POPの現状
今のJ-POP界は、才能の宝庫と感じる状況が続いています。
10代から30代前半は、多くのアーティストが存在しています。
例えば、2年連続でレコード大賞を取ったMrs.GREEN、「アイドル」の楽曲によって一気に世界中でブレイクしたYOASOBI、欧米で高い評価を受ける藤井風、VOCALOIDの旗頭である米津玄師、さらには、King Gnu、Official髭男dism、優里などなど、名前をザッと見渡しただけでも、名前を上げるのに苦労しないぐらい、多くのバンドやアーティストが混在しています。
特に、特徴的なのは、彼らが、自作曲で活動を展開しているということです。
即ち、今のJ-POP界の様々な音楽が混在する要因は、彼らの多くが全て、自分達で曲を作り、自分達で演奏するというクリエイターとしての才能をフルに発揮していることにあります。
これが、今のJ-POP界の大きな特徴であり、ヒット曲と言われるものの多くが彼ら自身の手によるものなのです。
シンガーソングライター全盛期とも言うべき状況が近年のJ-POPの大きな特徴になっています。
自分で曲を作ることの最大のメリットは、自分にあったものを作れるということと、自分の世界観を伝えることが出来る、ということです。
これが、2000年代までのJ-POPとの大きな違いだと感じます。
今、ここで名前をあげたアーティスト達の多くが2010年から2020年頃のデビューであり、特に2020年のコロナ禍前後に大きくブレイクし始めた人が多いです。
2020年は、音楽業界は死に体と言えるほどの落ち込みを見せていました。ライブやイベントが軒並み中止に追い込まれる中、日本のアーティスト達は何をしていたかと言えば、ひたすら自作曲に励んでいたとも言えるでしょう。
時折、それらの楽曲をInstagramやYouTube、TikTokなどの配信ツールを使って発表する、というように、ライブが出来なくても、音楽活動は続けていたと言えます。
コロナという世界的に活動が中止される状況の中で、その期間を何に向き合い、どのように過ごしてきたのか、ということの答えが今、出て来ていると言えるかもしれません。
ジェジュンの抱える問題点
ジェジュンは確かに歌唱力のある歌手であると言えます。
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