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ジェジュン『I Can't Forget』に見る違和感

※評論家が厳しい記事を書くのは、それだけ、その歌手に期待しているからです。
なんでも良い、どんなふうでも良い、というなら、それは、単なるファンの記事であり、多くのブログに書かれているでしょう。
評論を仕事としている限り、そうはならない。
これは、ジェジュンに限ったことではありません。
それを理解した上で、記事をお読み頂けると幸いです。


前置き

先週末は、ジェジュンのソウルでの「JJ PARTY」が開催されていました。オンラインで拝見したので、それについては、また、別記事にします。
今回は、先日、配信されたジェジュンのカバー曲『I Can't Forget 』について。
この曲は、ミュージカル「ドリーム・ハイ」のOSTとして有名です。
原曲は、J.Y.ParkやJYPの名前で活動している韓国のシンガーソングライターであり音楽プロデューサーのパク・ジニョン。
彼はTWICEやNiziuの生みの親であり、昨年12月にデビュー30周年を迎えた55歳の現在もなお現役で活動している数少ないアーティストの1人としても有名です。
事務所を経営し、現役でアーティスト活動を続ける、と公言しているジェジュンにとっては、1つのモデルケースになっているような存在のパク・ジニョンですが、多くの楽曲を手掛ける韓国では数少ないシンガーソングライターですね。

この楽曲は、彼の手によるもので、2020年に発売されたベストアルバムには、『忘れられない君』として、日本語バージョンが収録されています。
また、彼自身、J-POP好きで有名であり、小室哲哉と音楽について対談した過去があります。

このように楽曲として有名な曲をジェジュンがカバーしました。

ジェジュンは、J-POPに関して、数多くのカバーを歌っています。
特に「Love Covers」と題されたカバーアルバムをシリーズ化していますが、今回の楽曲のカバーの歌声を聴いて、初めて彼の歌声に違和感を覚えました。
その違和感が何なのか、ということについて、自分の備忘録として記事にしておきたいと思います。

※昨日は、ジェジュンのお誕生日でした。
私からのお祝いとして、昨年同様、記事を無料で公開することも考えましたが、内容がかなり根幹に迫ったものである為、記事の真意が伝わらない可能性があり、余計な批判を避ける為に、有料で配信します。(但し、他の記事に比べて安価で提供します)

歌声への違和感

今回のカバー曲の歌声に関するネットでの反応は、いつもの通り、称賛するものばかりです。
特に、彼の低音域の甘い歌声を魅力的に感じた人は多く、最近、このようなしっとりとしたバラード曲が久しぶりだったせいか、「やはり、彼の歌声はこのようなバラード曲に合っている」という好意的な感想は多かったように感じます。
彼の歌声が過去の歌声、即ち、グループ時代初期の頃の歌声を思い出した、という人は多く、その頃の歌声を懐かしむ反応も多かったと言えるでしょう。
しかし、私は今回、初めて、彼の歌声に対する違和感を覚えたのです。
それは、

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