50代の子離れ・私がシングルマザーを卒業する日
今年は例年よりも早く桜の開花が始まりましたね。
この桜がちょうど散る頃に、我が家には複数の引越し業者が出入りすることになっています。
それぞれ小さな引っ越しです。
成人した子供たちがバラバラに家を出て行くための引越しです。
我が家はおよそ10年前にシングル親世帯になりました。
子供たちがまだ就学している頃は手がかかる一方でしたが、子供たちが大きくなるにしたがって家事分担や経済的にもお互いに助け合って生活をしているような状態になっていました。
また支え合うばかりではなく、我が家には20代ならではの話題や感受性がいつも溢れており、私はそのネタを元にこのnoteへどしどし投稿する楽しみを持つこともできました。
(^^♪
あたりまえに親子で過ごすルーティンな生活が長く続きましたが、2年ほど前に子供たちとひとつ「約束」をしました。
末っ子が大学を卒業するタイミングで全員社会人となるので、「それぞれ独立した生活をしましょう」と。
約束した頃はまだ遠い先の事と思っていましたが、時間はあっという間に立ち子供たちが全員社会人になる春を迎えました。
そろそろ準備をしなくてはいけません。
思い起こすと、私自身が実家を離れたのは高校を卒業し進学する際でした。
関西から上京することになり東京で一人暮らしを始めました。
私は田舎で育ったので、大学への進学や就職するタイミングで同級生もほとんど実家を離れました。
そして、これが当たり前だと思っていました。
上京してからしばらく周りの同年代の人を見ていると、実家から通勤できるため社会人になっても実家で親と暮らしている人が結構いることに気が付きました。
「首都圏に住んでいるとこのような生活スタイルもあるんだな」
と若い頃は少し驚きました。
時代が流れて自分が親の世代になり、自分自身が成人した子供たちと同居している状況に少しづつ違和感を覚え始めました。
この違和感が、先ほどの「独立の約束」のもとになりました。
自分自身が育ったような田舎の環境なら、子供たちは通学や通勤の不便を理由に自然と親と離れて暮らすことになるのだと思います。
しかし私の今の環境では、どのタイミングで親離れ子離れするのかを自分で決めなくてはいけなくなりました。
そして、気が付くと子供たちは粛々と自分の家を探して引越し準備を始めています。
しっかり準備のできる子もいれば、まだ不安な子もいますが、まずは約束通りやってみようとなりました。
(*´ω`)
「これでやっと扶養としての親の役割が終わる」
とホッとしている気持ちの反対側に、なんとなく心が落ち着かない感覚もあります・・。
(´;ω;`)
子供たちの引っ越し日が決定する度に、数日後にはモノが無くなりがらんとなる自宅を想像している自分にハタと気づきました!
「やばい!これはもしや、私が子離れの準備ができていないんじゃないか!!」
昔、『キタキツネ物語』という映画を観ました。
その頃私はまだ子供だったので、「キタキツネがかわいい」「映画音楽が大好きなゴダイゴが担当していた」という理由でこの映画を楽しみました。
そんな感じでしたから、映画のストーリーは記憶に残っていませんでした。
実は最近この映画をもう一度観たときに、野生動物の親離れ子離れの壮絶な実写だったのだと気づきました。
巣立ちを迎えた子ぎつねたちが生まれ育った巣穴に戻ろうとすると、親ぎつねは子ぎつねを執拗に追い払います。
子ぎつねたちは、いつしか親の元にいることを諦めてそれぞれ自分たちの旅に出るのです。
「あー、子離れにいくばくかの躊躇がある私にとっては何とも教訓になる映画です・・・」
(^_^;)
関西に住む母親にも、最近電話で子供たちの独立の話をしたところこのように言われました。
「あんたもな~、子供らが出て行ったら寂しいなるで~」
「いや、そんなことはない。役割が減って肩の荷が下りると思うよ」
反論する私の言葉は聞いてない様子で、「寂しいなるで~」と何度も電話の向こうで母親が繰り返します。
うちの母親も(父が早く他界していたためか)、私と妹ふたりが進学や結婚で家を出たときに、仲良しの友人の前で号泣していたそうです。
後になってその友人のおばちゃんから母の号泣話を聞いた時は、
「あんなサバサバしていて気丈な母親が人前で泣いたなんて信じられない!」
と驚いたものです。
今年の桜が散る頃・・
荷物がごっそりと減った自宅を見て・・
寂しくて涙が出ちゃったりするんでしょうか?
「泣くもんかっ!!」
(^o^)丿
・・・でも、ちょっと泣いちゃうかな。
(´;ω;`)
**子供たちの様子や感性から生まれたHanikoの記事です**
(*´ω`)