見出し画像

叔父からの怪文書、そしてLINE

叔父からの手紙

前回の続きです。

叔父からの、父を亡くしてすぐの娘に送るとは思えない内容のLINEから数日後、今度は母に手紙が届く。すごいスピード感だ。
A4用紙にWordでびっしりと2枚半書かれた物であった。
レポートか?
実際「達成感のない物となってしまった」といった意味の言葉で締められていたのでレポートである。
レポートを提出しろといった覚えは無い。
内容としては、叔父の兄である私の父がどれだけ迷惑な存在だったかと、それに対し自分(叔父)と妻がどれ程優れているか、また、父と叔父の母である私の祖母とも叔父夫婦はうまくやっていけていた事など、とにかく兄貴が嫌いな事が伝わって来た。
父が全く悪くないかと聞かれたら、そうではないのだけど、叔父との朧げな記憶を辿ると叔父もなかなかであった。
祖母も津波で亡くなる前あたりは穏やかで優しかったが、私が幼い頃は気分屋で、普段一緒に暮らしていない「お客様」へ優しく、また自分が「お客様」の立場だったら大人しくしているのは当たり前なので、叔父一家の家で祖母が穏やかなのはそれはそうなのだ。

それはともかく、これって今、うちの母に急いで伝えなければならない事なのだろうか…。

手紙の最後の方には、大体このような意味の事が書かれていた。

「兄貴の同級生が一人も葬儀に来ていなかったところに人となりが現れていた」

七十代後半で亡くなった、故郷を離れて暮らした人の最期に言うことがこれ。
父が最期を迎えた土地は母の実家がある土地で、父の地元からは、頑張れば日帰りできなくもないけど…という、年寄りにはキツい距離。
車で送ってくれる人が居ないとか、電車が不安、自分自身が覚束ないとか、色々あるだろうし、実際、通夜の日に新幹線が止まったりして大親友が来られなくなるとか、まじで色々あったのである…若くてリカバリーきかなきゃ無理だよ。
東京に住んで、長年の便利な生活で、そういった面の想像力がどっかに行ってしまったんだろうか。
他にも「兄貴とは十何年しか一緒に暮らしてないから疎遠だった」とか、多少年が離れていてお互い進学したり就職すんなら普通じゃね?と思うような事とかを理由に訳のわからん事が沢山書いてあったのだが、もう読みたくないので割愛。

夫が亡くなってすぐでさまざまな手続きに追われる母に、一方的な思いを綴った怪文書を送りつけてきて「達成感が無かった」と言う叔父に薄気味悪さを感じたし、この後起こることで、そもそも叔父が感じていた兄貴への何やらって、本当に100%父が悪いのか?という疑問が膨らむのであった。

怒ってない事を怒った事にされて怒る事、ありますよね…

意味わかんない事いってごめん…。
こういうのなんて言うんだっけ。
ガスライティング?
ストローマン論法?
なんか他に適切な言葉がある気がするけど、あたかもこちらに非があるように仕向けてこちらが「もしかして自分が悪いのか?」と思ったり、「そうは言ってないでしょうよ!」と反論したら「ほらやっぱり怒ってる」と揶揄ったり、怒ったことは事実なので最終的に怒った事にされちゃったみたいなの。

これが、すんげーーーーくだらない話題をきっかけに、起こります。

いや、読めよまず。

四十九日もやって納骨も済ませた後。
その日私は、趣味に忙しかった…具体的に言うとGLAYである。
みんなが、私を励まそうと色々してくれたので、私もそれに応えるべく、頑張っていた。
そんな中、叔父からLINEが来た。

「GLAYのことはよく知らないんだけど、GLAYのTAROU?が日ハムのファンで、大谷くんもGLAYのファンで、親交があったの、知ってた?大谷くんは今年色々あって大変だったんだけど、奥さんの真美子さんを支えたのはTAROUの奥さんのせりさんだったんだって。良い話だね。」

まずTAROU誰やねん。TAKUROや。
でもまあ、良い。
内容、うん、知ってました。
良い話ですね。

…………で????

オタクならわかると思うけど、正直一番反応に困るのがこの、自分の趣味に関する事をよく知らないかつ、雑に扱えない相手からの「知ってた?」という問いとか、感想に対する反応を求められるやつ。
しかも、名称を間違っている…。
不機嫌に見えないように、でも間違いは正したい…。
怒ってないんだから、怒ってない感じで返事したい…しかも大して興味ない上に知ってた話題だからなんかこう、大袈裟に反応するの難しいなー!

考えるのを一旦やめ、目の前の事に集中する私。
母にも
「なんかめちゃくちゃおもろいLINEきたけど返事に困る。あとでいいかな」
と相談
「タローさん誰!」
と爆笑する母。
数時間後
「タローさんじゃなく、タクローさんです」
「日ハムと、GLAYが仲が良いのは前から有名で、コラボグッズも出した事ありますよ」
と返事して終了…

終了のはずだった。

数日後、母に叔父からLINEが来る。
「氷雨ちゃんはGLAYを卒業したのでしょうか?大谷くんとGLAYのTAROUさんの奥さんの事で良い話だなと思ったので氷雨ちゃんにLINEしたのですが、返事がありません。」

え?返事したけどな?
返事したようですよと伝える母

「なにも知らずに琴線に触れてしまったのでしょうか、それでしたら謝っておいてください」

いやそもそも読めや。
そしてお前が直接謝ろうと思って私のLINEを開けばそれで全て解決する話だ。

母も、なんか面倒になって放置するも、他の話題と一緒に「距離感を誤った」だの言ってくるので、追いLINE。

「母に色々送ってるようですが、私のLINEを確認できてないと母がわざわざ指摘したにも関わらず、読んでくれてないみたいですがどうしましたか」
「GLAYの話題に触れた事は別に何も気にしていません。」
「あと、TAKUROさんです」
「そもそも謝りたいのなら直接私に謝ればよい事ですし、そうしようとしていたらこんな事は起きてませんよね」
「そして謝るとすれば、こんなくだらない事ではなく、もっと別の事(葬儀直後のLINE)についてですよ」
等送るも、一向に私には返事せず、何故か母に色々言い訳する叔父なのであった…

次回でおわりです。

つーか、「TAKUROさんです」って指摘しまくってんのに最後まで直らなくてまじで死ぬかと思った。何も伝わってない。おもろ過ぎて無理(真顔)

いいなと思ったら応援しよう!