日々が流れていかないように、
人はどんなに嫌なことがあってもなんだかんだと歩いていくし、スピードの速い日常に埋もれていくとすこしずつ忘れていく。もしかしたら、忘れられることができるから進める部分もあるのかも。
そんなつぶやきメモ日記です。
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先週、100分de名著の『ペスト』の解説本を読んでいて、最終的にペスト終息を迎えてロックダウンが解除された町の人たちの様子書いていたのだけど、テキストに気になる言葉があった。
“人々はすぐにすべてを忘れてしまうのです。結局は、老人もいうように「いつだって同じ」なのであり、しかし「それが彼らの強さであり、彼らの罪のなさ」でもあります。だからこそ、忘却な抗い、記憶を確かなものにするために、このすべてを記録することが必要なのです。"
"物語はまた最初に戻り、厄災はふたたびくり返されるだろうということが暗示されています。天災は回帰するのだす。"
これは、これからの起こる様子なんじゃないか。
大部分の地域で緊急事態宣言が解除されて、最後の関東や関西もそろそろ解除されそうだけど。
前とはすこし違う生活スタイルに変えて、最初は怖いなあと思っておそるおそる暮らしていても、日常のスピードがすこしずつ加速しはじめたら、自粛のときに感じたことは薄れていくような気がしている。
嫌だと思うことや怖いことは心の片隅にはあっても、できれば思い出したくないもの。
日常が戻ってほしい、と、忘れずに用心していたい、というのはあんまり交わらないのかもしれない。
いまはいったん終息しつつあるけど、波があるだろうからまた戻ってくるだろう。
「いつか」に備えるために、自分がなにを感じたのかを残しておくのは大事だと思う。
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物事を見つめるには、いままでの自粛期間はとても大切だった。
ここ最近、Twitter上では"検察庁法改正案に抗議します"というものからはじまって、どんどんと抗議活動が活発化して世論の声が大きくなって、結果的に今回の国会での改正案の採決は見送りになった。
状況を見つめたひとりひとりの声が集まったから政府を動かして今回のこういう形になった思うんだけど、あくまでも「見送り」だから、その次もある。
津田さんのこのツイートを見て、最初のペストの話を思い出した。
読売が朝刊で検察庁法今国会採決見送りを報道し、時事、共同、朝日も報道しました。恐らく夕方までに結論出るかと。大きな前進ですが黒川検事長の「違法」留任状態は変わらず、検事総長就任の目も残ってます。自民は公務員法からの切り離しは考えてないようで、ほとぼり冷ましてからやる気満々かと。
— 津田大介 (@tsuda) May 18, 2020
いまどんなに反対だと思っていても、時間が経つとすこしずついまの気持ちが薄れていってしまう。
忘れないためには、スピードの速い日常に自ら戻りすぎない意識が必要なのかもしれないね。
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当たり前にあった暮らしに戻ることは良いとは思うけど。
でも、日常が動き出して日々のスピードが上がっていくと、この数ヶ月に感じていた感覚はすこしずつ薄れていくのかもしれない。
同じ言葉をくりかえしていてとりとめがなかったとしても、気持ちを薄れされないためにときどき文章として残しておこうと思った。
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